松田町のご当地焼酎「まつだ乃華」のラベルをデザインした 吉田 琢磨さん 松田町松田惣領在住 83歳
「自然体で心のままに」
○…松田町産の芋を原材料に使用したオリジナル焼酎のラベル一新に合わせ、町から揮毫の依頼を受けた。商品名も含め複数の案を考え、その中から選ばれた「まつだ乃華」を書道歴50年以上の感性で書き上げた。「松田山の桜など町中に咲き誇るたくさんの花々をイメージして書き上げました。町内外問わずたくさんの人に楽しんでもらい、デザインを見てほしい」と制作秘話を明かす。
○…小学校の教員を務めていた30歳の頃、「仕事に役立てば」と南足柄市の教室に通い、書道を習い始めた。定年後は大井と小田原で書道教室を開き、多くの弟子を輩出している。傘寿を迎え、書道の師範としては一線を退いたが、今も1日1文字のペースで書をしたためている。「心が荒れた状態では荒れた字になる。昔は”こういう字が書きたい”と考えて苦心しましたが、思い通りにならないところがおもしろい」とその魅力を語る。
○…新潟県柏崎市出身。市議会議員の父の知人に紹介され、16歳で二宮町の東京大学農業試験場職員の家で書生に。大学入学まで住み込みで農業を学び、卒業後に故郷の柏崎で臨時教員として教職の道を歩みはじめた。青春時代を過ごした縁もあり、29歳で南足柄市立北足柄小学校に赴任。定年までに足柄地域の小学校7校で教鞭を執った。松田町では教育委員長や教育長を歴任。06年に瑞光双光章も受賞している。
○…「資格取得が趣味」というように管理栄養士や調理師免許、映写技師など数多くの資格をもつ。妻に自慢の料理を振る舞うことも趣味のひとつだといい、「もともとそういうつもりで取ったわけではないけど役に立っています」とほほ笑む。書道教室での指導の傍ら2008年に教員としての自分史をまとめ、題名を「天命」とした。「人生はほかの人が決めてくれたもの。思い上がらずに行った先々で一所懸命に生きなくてはいけない」
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