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足柄版 公開:2015年12月26日 エリアトップへ

競争より連携を デスク・レポート

社会

公開:2015年12月26日

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 ▽今年10月に国勢調査が行われた。年明けの2月以降、集計の結果が明らかになる。足柄上地域の自治体にとっては、人口の転入出を示す社会増減が気になるところだ。地方自治体を取り巻く環境は昭和の成長・発展期から、平成の減少期を経て、再生期へと移った。国内人口の減少は国の少子化対策の遅れが大きな要因だが、地域における”人口の転入出”は基礎自治体に責任があり、さらに効果的な対策を見出し実践する必要がある。

 ▽”人口の転入出”とは、新たに市町へ引っ越して「来る」人と、市町の外へ引っ越して「行く」人の相対関係をいう。「来る」人よりも「行く」人が多い状況を転出超過といい、「行く」人が増えれば人口が減り、市町の税収が減る。これを食い止めるために「企業誘致」や「定住対策」がある。この地域では山北町と松田町の取り組みが意欲的だ。両町には開発予定がなく都市化による人口増は難しいが、増え続ける空き家と豊かな自然環境を活かした首都圏からの移住者の取り込みがポイントとなる。

 ▽一方で今年、南部区画整理が完了した開成町は県内2位の人口増加率を誇る。しかし区画整理でいったんは人口が増えても、にわかに誕生した住宅街ではいずれ子どもが成長して人口流出が始まり、親世代の高齢化が進む。そのため青天井の未来を描くよりも町の”適正人口”について議論を始める必要があるのではないだろうか。

 ▽昭和の人口増加は、爆発的現象だった、との見方もある。各地に建設された学校や公共施設は一斉に古くなり、維持管理や更新の費用が財政運営に重くのしかかる。今年度、南足柄市の予算編成で起きた歳入の見込み違いも、こうした財政運営を如実に示す出来事だった。議会は今後、歳出と同時に、歳入見込みを注視する必要がある。

 ▽各市町は、交流人口を増やす「観光施策」と、流入人口を増やす「定住対策」「企業誘致」でしのぎを削っている。地方創生の本格稼働で競争が激化することにも注意が必要だ。足柄平野にはそれぞれの地域に、誇るべき風土や文化がある。これらの地域資源を「足柄平野のブランド」と位置付け磨き上げ、新たな連携のもとで面的に発展させる2016年にしたい。

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