南足柄原産の桜「春めき」を生産する農家、古屋富雄さんから12月22日、社会福祉法人日本点字図書館(東京都新宿区高田馬場)に春めきが贈られた。
南足柄市塚原の古屋さん宅に日本点字図書館の杉山雅章館長が12月22日に訪れ、高さ約4mの春めきが贈呈された。
杉山館長は「香りでも楽しめるという春めきの特徴を活かして視覚障害者の方にもぜひ春を感じてもらいたい」と話す。
古屋さんは「実際に視覚障害者の方から、香りで桜が楽しめることを教えられたことがあった。ボランティアで運営されている点字図書館の取り組みに感銘を受けていたので、ぜひ贈りたいと思った」と述べる。
贈られた桜は点字図書館創立者、本間一夫(1915〜2003)の生誕百年を記念して館内の中庭に植樹され、今春にも花を咲かせるという。
日本点字図書館は、自身も視覚障害者だった本間一夫氏が1940年に開設した「日本盲人図書館」が起源。戦時中の茨城県への点字図書の疎開などを経て、1948年に「日本点字図書館」に改称。現在では約300人のボランティアによって一般図書を点字に訳す点訳や音声図書の録音などの作業が行われている。
1998年に国費で現在の本館と別館が建て替えられた際には、式典に皇后陛下もご臨席されている。皇后陛下はその後も数回にわたり、図書館を訪れているという。
図書の貸し出しには日本郵政が協力し、全国からの依頼に無償で郵送。毎日トラック1台分の点字図書を郵送で貸し出している。
近年は音声図書や点字図書のデジタル化なども進み、利用者はホームページからすべて無料でダウンロードして利用することができる。
杉山館長は「以前は図書館の玄関にも桜があり、春になると、利用者の方々を楽しませていました。今はなくなってしまいましたが、創立者の生誕百年に合わせてこうしてまた桜が復活したことが嬉しい。多くの人に桜の香りで春を感じてもらえれば」と話す。
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