松田町寄に昨年末、1組の夫婦が引っ越してきた。
鈴木謙一さん(53)と弥生さん(55)は結婚から33年が経つ、ともに現役世代の会社員だ。共働きで子ども2人を育て、昨年末に横浜市旭区の戸建てを売却し、寄に約100坪の土地を購入して平屋を建てた。
自宅にはチワワやミニチュアダックスフンド、ラサアプソ、バーニーズ・マウンテン・ドッグ合わせて10匹とウサギ1羽がいる。
3年ほど前、会員制交流サイト「フェイスブック」で、寄に住む同じ犬種の飼い主と知り合い、夏に初めて寄の町営ドッグランを訪れた。「涼しくて広くて、水遊びもできる」と気に入り寄へ通うようになった。
夫の謙一さんは自動車マフラーを製造する静岡県裾野市の会社に勤務。「半分は単身赴任」だった。妻の弥生さんは田園都市線の藤が丘で介護の仕事に就く。
弥生さんは毎朝、車で渋沢駅へ行き、月極めの駐車場に車を置き電車で通勤。片道約2時間も「全く苦にならない」。謙一さんの通勤はその分、楽になった。 取材した1月23日は土曜日で、前日の夜から孫が横浜から遊びに来ていた。「横浜での表情とこっちでの表情が全然違う。2人もここが好きみたい」と弥生さんのほほが緩む。
2人には全国各地に「犬トモ」がいる。夏にその友だちを寄の自宅に招き「オフ会」を開く。弥生さんは「移住に興味を持つ友だちもいる。寄の魅力を知ってもらい、何度も足を運んでもらいたい。この場所と縁があってよかった」と話す。
松田町定住対策 攻めの姿勢で積極PR
人口減少が進む松田町にとって、人口の社会増に繋がる移住転入は願ってもないことだ。とりわけ横浜や川崎、東京方面など首都圏からの移住を促す取り組みに力を入れている。
本山町政2年目の2014年10月に町は、定住少子化担当室を新設。積極的な外回りで町の特徴や魅力をPRしながら、今年度は「移住」や「帰住」に繋がる新制度を創設して攻勢を強めている。
そのひとつ「ふるさと松田同窓会開催支援助成金」は、町の小中学校を卒業して町外に暮らす20歳以上の人が参加する同窓会の参加者1人につき2千円の商品券を助成し、同窓会で町や定住対策をPRしてもらう。年間5件の申請を見込んでいたが1月末までに16件の申し込みがあった。
「二世帯同居等支援奨励金交付制度」は親世帯と同居または近居する子世帯に最大30万円の奨励金を支給するもの。こちらもすでに12件の申請があった。
地方創生でしのぎを削る各町だが、もともとある地域の資源を活かし、新たな施策を上乗せすることで反応も出始め、明るい兆しも見えてきている。
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