小田原市の加藤憲一市長と南足柄市の加藤修平市長が2日、小田原市役所で揃って会見し、県西地域の「中心市のあり方」について検討・協議する任意の協議会を今年10月に設置する方針を発表した。
集まった約30人の記者を前に両市長と副市長、幹部、ら10人が並んで着席した。 会見の冒頭で小田原市長が協議会の設置方針とこれまでの経緯について説明し、両市長が課題認識や今後の考えを述べた。
設置する協議会では、【1】両市の合併、【2】大都市制度の活用、【3】新たな広域連携制度の活用-などを検討し、県西地域で安定的な行政サービスを提供するために必要な方策を探る。メンバーは30人程度を想定し、両市職員のほか市議、市民、学識経験者らで構成し、協議は原則公開する方針。
県西地域では2007年から3年間をかけて2市8町が合併を検討したが、行為には至らず合併議論は収束した。
2013年に小田原市が改めて県西2市8町に「共同研究」を提案したがここでも足並みは揃わず「圏域の一体化や新たな連携に関する議論は進んでいない状況だった」(小田原市長)。
こうしたなか2014年度から2市で「県西地域における中心市の在り方について」研究を開始。行政幹部のレベルでは「2市が合併し体制を備えたうえで、圏域内に新たな連携を構築すべき」との結論を出し、両市長が報告を受けた。
小田原市が先行して取り組んできた単独での中核市移行の検討が平成27年度で一段落し、南足柄市が昨年秋の市政懇談会で市民に情報提供したことで協議会設置の条件が整ったと両市長が判断し1月21日に協議組織の設置方針について合意し、今回の発表に至った。
今後は新年度を待たず協議会設置の準備に入り、委員の選定や例規整備、運営経費の予算措置などを進め、1年後に結論を出す方針だ。
両市民には今後、広報媒体や共同のイベントなどを通じて協議会の趣旨などを周知し、国や県にも支援を求めていく考え。
小田原市の加藤市長は「未来を切り開くビジョンをしっかり持ち、圏域の内外に精彩を放ち続ける街を目指すことが活力の維持や住民福祉の向上につながると確信している。小田原市としては合併のみが唯一の有効な選択肢であると決めつけてはいないが、2市を一体的にとらえた場合のスケールメリットに期待している。今回の協議を契機に市民の皆様と議論を深めていきたい」と述べた。
南足柄市の加藤市長は「基本的には小田原市長と同様だが改めて申し上げるならば、協議の大前提は持続可能な行政サービスの実現である。どこに行政境があろうとそこに住む人々が今まで享受できていた行政サービスを持続できる基礎自治体であり続けなければならない。そのような基礎自治体は対症療法的な連携ではなかなか実現が難しい。地域間連携を強めて圏域を強化する必要があり、そのけん引役となる中心市としてのあり方を検討したい。県西2市8町の絆も念頭に置きたい」と述べた。
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