移住を希望する町に実際に住んでみて、暮らし方を体験する山北町の「お試し住宅」が人気を集めている。利用予約が好調ですでに9月中旬まで一杯だという。3月7日に受付を開始した町は「ある程度は見込んでいたが、ここまで反響があるとは」と嬉しい悲鳴をあげている。
予約の受付を始めた「お試し住宅」は山北駅から徒歩10分にある2階建、7DKの戸建住宅。10年契約で家主から町が借り受け、移住を希望する人に2週間から14週間の範囲で貸し出す。住宅には日常生活に必要な家具や調度品、電化製品を備えている。
貸し出すためにかかった費用は約300万円で地方創生の交付金で全額がまかなえた。2016年度には新たな交付金500万円を活用し「定住トータルコーディネートシステム」を構築。移住・定住を365日サポートする体制を整える。
町の担当者は「一定期間町に滞在していただくことで町の風土や気候、生活スタイルを体感してもらい移住定住につなげていただきたい」と期待を寄せる。春には御殿場線沿いの桜が楽しめ、夏には水路にホタルが飛び交い、秋には紅葉、冬には囲炉裏を囲む生活を演出するなど「年間を通じて山北の良さが実感できる」と太鼓判を押す。
問い合わせ200件
5月からの貸出を前に予約受付を開始したところ、5件の予約が入った。体験を希望するのは横浜や川崎に住む60代の夫婦が中心だという。
受付開始からこれまで町に寄せられた問い合わせは200件に及ぶなどお試し住宅への関心が高まっている。利用料は光熱水費込で2週間2万円。最大14週間まで。
問い合わせは山北町定住対策課【電話】0465・75・3650へ。
町の定住対策
山北町は2009年に「第1次定住総合対策事業大綱」を策定して役場内に定住対策室を設置。子育て世代を対象とした定住促進住宅「サンライズやまきた」(地上6階建・42戸)をJR山北駅北側に建設し、同東山北駅近くにスーパーマーケットとホームセンターを誘致。さらに各種子育て支援の充実や空き家バンク事業などを展開してきた。
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