熊本県の地震災害を受け、足柄上区で募金活動など支援の取り組みが始まった。「何かできることはないか」。被災地を思う気持ちが活動の原動力となっている=19日起稿。
週明けの4月18日朝7時、通勤客で混雑する小田急「新松田駅」とJR「松田駅」前に松田町役場の職員や松田ライオンズクラブなどの有志ら約40人が駅頭に立った。そこには大井町の間宮町長ら幹部職員の姿もあった。
「熊本地震災害への義援金の募金をしております。ご協力お願いします」
いつもとは違うその様子に、足を止め募金に協力する通勤客の姿が多くあった。1万円札を手に「ご苦労さまです。よろしくお願いします」と声をかける女性もいた。
参加した幹部は紙幣で一杯になった募金箱を手に「こんなに反応があるとは。やって良かった」と話した。
4月16日未明の本震による被害拡大を受けて、松田町役場では本山町長ら幹部が支援物資提供の検討を始めた。幹部によるとこの日は、距離が遠く単独では量も少ないことから「周辺自治体や県の動向など情報収集を急ぐことになった」。 このなかで幹部から義援金募金の提案があり、本山町長を中心に活動の輪が広がった。町民が駅を利用する大井町からは間宮町長と職員3人が支援の輪に急きょ参加。自転車で駅に駆けつけた間宮町長は「よろしくお願いします」と通勤客に声をかけた。
本山町長は九州の佐賀出身。南阿蘇村で学生が犠牲になった東海大学のОBでもある。「私たちの行動が少しでも支えになれば」と言葉を詰まらせた。今後は町政運営でも交流のある東海大学の支援活動に協力することも検討している。
19日と20日には南足柄ライオンズクラブも大雄山駅前で募金活動を行い、2日間で25人の会員が街頭に立ち支援を呼びかけた。募金に参加した女性は「東北よりも遠いからすぐに行くことはできない。すぐにできることは募金活動ぐらい」と話し、熊本出身の男性は「妹が被災した。無事は確認できたが不安だろう」と募金を呼びかける声に思いを込めた。
17日以降、足柄上地区の1市5町では、市役所や町役場庁舎をはじめ公共施設に熊本地震で被災した人を支援するための募金箱を設置。20日は南足柄市と市社協、民生委員児童委員、ボランティア協会などが市内スーパー5カ所で募金活動を実施するなど、支援活動が広がりを見せている。
募る不安
山北町に住む彫刻家、蘭二朗さん(41)は実家の両親が震源地に近い熊本市東区で車中泊の生活を余儀なくされ心配を募らせている。
14日夜の地震発生から2時間後に両親と電話で連絡が取れたものの両親の住むマンションが相次ぐ余震で損壊したため、夜は車の中で過ごしている。蘭さんは「生活物資が手に入らずまだ混乱しているようです」と動揺をひた隠す。
神奈川と熊本の距離は1100キロ以上離れ交通網も混乱している(20日現在)。「すぐにでも行きたいが1人ではどうにもならない。被災地全体に物資が行き届いていないので勝手な行動も取れない」という。4月29日の大野山山開きと同時開催され、参加を予定している第5回神奈川チェンソーアート競技大会の会場で「募金活動をしたい」とつづけた。
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