2年前に民間有識者団体から「消滅可能性都市」とされた松田町の、定住少子化対策が3年目を迎えた。少数精鋭、営業系ともいえる職員が攻めの姿勢で事業を展開している。
2013年9月にスタートした本山町政は「子育て世代の定住化」と「親きょうだいが身近に住む」町を標榜し、子育て支援の充実と「シティーセールス」を強化するため、14年10月に定住少子化対策担当室を政策推進課内に設置した。
当時の職員は鈴木英幸室長(50)=現・担当課長と岩田浩貴さん(26)の2人。「まずは近隣の先進自治体だった山北町や真鶴町の取り組みを学ぶことから始めた」(鈴木担当課長)。翌15年2月には空き家バンクを創設し、空家を貸したい家主の情報を行政が取りまとめ、移住を希望する人への情報提供を始めた。
事業が本格化したのは2015年度に入ってから。
もともと親世帯が松田町に住む子世帯が、親世帯と同居した場合には30万円、別の場所でも町内であれば20万円の奨励金を交付する制度を創設。すると1年間で同居で3件、近居では12件の申請があった。
さらに町内の小中学校の卒業生が町内で同窓会を開く際に、町のPRを条件に1人あたり2千円の商品券を交付する「同窓会開催支援助成金」も創設。これには1年間で19件、544人の申請があった。同窓会参加者の6割が町外在住者だったという。
ほかにも、コンサルタントに依頼すれば百万円以上かかることもある「空家対策計画」を自前でつくり、婚活開催や都内で移住セミナーや移住フェアにも精力的に参加。「声がかかった催しには全力で参加しています」と岩田さんは話す。
今年度は、空き家バンクの登録物件に入居した世帯に家賃の一部を商品券で補助する制度もつくり、10月には移住イベントで「移住メール」に登録した人を対象に「松田町移住ツアー」の開催も企画している。
2年半の取り組みを通して鈴木担当課長は「今までよりも松田町を愛するようになった。どんどん前へ出ていき積極的に松田の良さをPRしていきたい」と意気込んでいる。
今年度は職員1人を増員し、子育て世代向けの住宅整備に向けた検討もはじめるなどさらに力が入る。
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