南足柄市が9日、箱根ジオパークに編入した。加藤修平市長は「3年越しの活動が評価され嬉しい」と満面の笑みで喜びを語り、集まったジオガイドの市民や山口昇士箱根町長らと決定を祝った。
地域特有の地質や地形などから地域や地球の成り立ちを学ぶエリアを日本ジオパーク委員会がジオパークに認定している。国内に43地域あり、8つが世界ジオパークにも認定されている。
箱根ジオパークは2012年9月に小田原市・箱根町・真鶴町・湯河原町の1市3町が国内認定を受けた。パーク内には地質や文化の見どころとなる「ジオサイト」と呼ばれる見所が41カ所あり、南足柄市の編入で【1】足柄峠と足柄道、【2】矢倉岳、【3】夕日の滝、【4】蛤沢周辺、【5】文命堤、【6】最乗寺と杉林、【7】清左衛門地獄池、【8】御嶽神社と矢佐芝石丁場―の8カ所が加わり49カ所に増える。北米プレートとユーラシアプレートが衝突した凄まじさや、東西日本を結ぶ古代からのルートなど、箱根ジオのテーマである「南北をつなぐ自然のみち、東西をつなぐ歴史のみち」がより魅力的になる。
ジオパークでは、ジオガイドが案内するジオツアーが企画され、観光振興や教育活動に活用され、地域活性化の可能性も秘める。
9日午後、南足柄市役所には加藤市長や山口町長ら行政関係者に加え、今年2月に発足した南足柄市ジオガイドの会(植田勇次会長・20人)のメンバーも同席して日本ジオパーク委員会からの連絡を待った。午後3時過ぎ、加藤市長に電話が入り「南足柄市の編入を含む箱根ジオパークの新規認定」が伝えられると大きな拍手がわき起こった。
市民の力
ジオパーク編入に向けて南足柄市は昨年6月から10月にかけて、公募市民を集めて全9回のジオガイド養成講座を開催。講座を修了した市民20人は以降も自主的な研修を重ね、8月23日の現地審査では審査委員への説明役を担った。
文命堤を案内したジオガイドで同市怒田に住む主婦の倉科萌(めぐみ)さん(34)は「大学で地質学を学び結婚を機に南足柄へ来た。広報を見て養成講座に応募して今日を迎えた。とても嬉しい。地球の変動が一度に見渡せる見晴台からの眺望がおすすめ」と喜びを語った。
決定を受けて市は9月22日(木祝)に南足柄市文化会館で「箱根ジオパークフェスタ2016」を開催する。時間は午前10時から。
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