開成町はこのほど、同町金井島のあしがり郷「瀬戸屋敷」に指定管理者制度を導入し、2017年4月から民間事業者に運営を委託するため、事業者の公募を開始した。12月中にも事業者を選定する。
のどかな田園風景が広がる町の北部、金井島地区にある瀬戸屋敷は、築300年の名主屋敷を改修した観光交流施設兼社会教育施設として親しまれている。
代々続く所有者から町が2001年に寄付を受け、町が文化財に指定して大規模な改修を施して2005年に一般公開を始めた。
08年に町が実施した事業仕分けで初めて指定管理者制度への移行が議論されたが当時は直営で維持管理・運営を続ける判断をした。12年にも移行の検討が再燃したが、3年程度は直営で運営する選択をした。
開館から3年目の2007年には年間7万5千人を数えた来館者数も、東日本大震災を境に年間3万5千人台まで減少。14年度には3万9千人まで回復したが、ピーク時には及ばない状態が続いている。年間の運営費は約1200万円とほぼ横ばいだが、このまま直営の維持管理を続けることに疑問を呈する声もある。
こうしたなか瀬戸屋敷を拠点とした北部地域活性化を本格化させた町が指定管理者制度移行の方針を固め、9月に町議会も全会一致で了承した。
大胆に展開
町が事業者の公募で求めている特徴的な業務は既存業務の維持のほか、【1】開成町や近隣市町の観光情報を積極的に発信すること、【2】農産物の販売、【3】飲食の提供、【4】2019年度までの年間入込客数を6万人まで増やす既存以外のイベント開催―など。
指定管理者制度への移行について町は「伝統行事の継承を念頭に置きながら従来よりも大胆な取り組みが展開できる。どのような提案が出てくるか期待している」と話している。
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