南足柄市はこのほど、「行政改革」の一環として市内15カ所の公共施設で利用料金を値上げする方針を固めた。職員給与を増額する案などとともに11月29日に開会した市議会12月定例会に条例改正案などを上程した。
南足柄市では1992年度に30億円あった法人市民税の収入が15年度には2億円まで減少し、福祉を中心とした扶助費などの義務的経費の増加などにより新たな施策などに使う経費を生み出せずにいる。
8月に市内6カ所で開催した市政懇談会でこうした財政状況について説明し、2017年度の予算編成では「3億4500万円の財源不足が生じる」と説明。その対策として17年度から19年度までの3年間で受益者負担を新たに求め、公共施設の統廃合に取り組むなど「行政改革」に取り組む方針を示していた。
これを受けて市は12月定例会に市内17の有料施設のうち15施設の料金を一律10%引き上げる条例改正案を提出。来年10月に廃止予定のこどもセンターと、市営ヴェルミ立体駐車場の値上げは見送った。
中部公民館や郷土資料館、パークゴルフ場など7施設が2017年4月から、体育センターや市営総合グラウンドなど5施設が6月から、女性センターとりんどう会館が同7月、文化会館は2018年4月で、議案の可決を経て実施する。
値上げにともなう2017年度の効果額は約750万円で「18年度以降は1千万円以上の行革効果がある」と市は見込んでいる。
敬老祝金を減額
今定例会にはさらに、満100歳に達した市民に現金5万円を給付している敬老祝金の額を17年4月から3万円に引き下げる条例改正案も提出された。市によると2015年度は8人に給付し、16年度は15人、17年度は12人を見込む。
ほかにも審議会や協議会の委員報酬を従来の日額に加え4時間未満の報酬額を新設し、勤務実態にあった報酬に変更する。年間140万円の効果額を見込む。
給料は微増へ
行革の一方で市長ら特別職員の期末手当を17年度から0・1カ月分、一般職の給料を今年4月からさかのぼり実質平均0・19%、期末・勤勉手当も0・1カ月分引き上げて今年度中に支給する議案を市が提案し11月29日の定例会初日に賛成多数で可決された。16年度分の歳出増は1613万で、一般会計補正予算案に計上した。
利用料値上げの関連議案は12月6日と7日の常任委員会で審査される。
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