開成町による町の直営から、今年4月に指定管理者制度による民間の運営に移行するあしがり郷「瀬戸屋敷」の指定管理者が19日に決まった。2020年3月までの3年間、東京都内のコンサルタント会社が施設の運営を担う。
町は昨年9月の町議会に長年の懸案だった瀬戸屋敷の指定管理者制度移行案を提案。議会も全会一致でこれを後押しして11月に事業者の公募を始めた。庁内の選定委員会が応募した2社から(株)オリエンタルコンサルタンツ(東京都渋谷区・野崎秀則代表取締役)を選び、19日の町議会会議に町が関連議案を提案し、全会一致で可決された。
同社は全国各地で公共施設の指定管理実績があり、近隣では厚木市の荻野運動公園を運営している。委託業務中心のコンサルタント業務から、事業そのものへの投資による地域活性化も標榜している。町によると「豊富な実績や経験」や「くつろげる実家のような施設にしたい」との意向などが評価されたという。
民間運営に活路
茅葺屋根の瀬戸屋敷がある町の北部にはのどかな田園風景が広がる。町はこの瀬戸屋敷を拠点とした北部地域活性化に取り組んでいる。瀬戸屋敷は2001年に所有者から町が寄付を受け、文化財の第1号に指定して大規模な改修を実施。2005年に一般公開を始めた。文化財としての保存のほか、社会教育、観光資源として活用されてきた。
開館から3年目の2007年には年間7万5千人だった来館者数は、11年の東日本大震災を境に3万5千人まで減少。14年度に3万9千人まで回復したが、その後は横ばいが続いている。 直営による年間の運営費は約1200万円。このまま維持管理を続けるよりも民間の経験を活かした運営に切り替えて新たな活性化につなげたい考え。
4月以降は、開成町や近隣市町の観光情報を積極的に発信し、農産物の販売や飲食の提供や新たなイベントの開催などに取り組み、2019年度までに客数を6万人まで増やす。
同社では社員2人が4月をめどに東京から移住して運営にあたる。瀬戸屋敷の運営リーダーとなる関東支店プロジェクト開発部の関詩織さんは「都内からの通いでは全力投球できません。移住して全力を尽くします」と話している。
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