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「しみずやまぶき座」 山北町清水地区 復興の歴史題材に 伝承芝居で地域活性化

文化

掲載号:2017年2月4日号

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郷土の逸話を演じる「しみずやまぶき座」の劇団員=1月27日・山北町健康福祉センター
郷土の逸話を演じる「しみずやまぶき座」の劇団員=1月27日・山北町健康福祉センター

 山あいの集落に関東大震災の被災から10年をかけて復興を果たした農村の物語がある。国道246号線から丹沢湖をつなぐ県道と河内川の間に広がる「喜一郎(きいちろう)新田(しんでん)」が物語の舞台だ。

 山北町清水地区用沢に伝わる復興物語は、今から12年前に町の紙芝居ボランティア「拍子木の会」が紙芝居の題材にした。当時を知る農家に取材してその全容を民話に仕立てた。

 2年前の3月。少子化の影響で前年の清水中学校に続き清水小学校が閉校すると地区に失望感が漂った。そうしたなか自営業の山崎忠義さん(74)が中心となり住民15人で劇団「しみずやまぶき座」をつくった。平均年齢は72歳だ。

 地区に住む元小学校教諭で、紙芝居をつくる拍子木の会で会長も務める滝本小夜子さん(75)が脚本・監督を担い、昨年初めて「喜一郎新田」を演じた。

 大きく蛇行する河内川の沿岸では家屋の倒壊や山林の崩壊、一帯にあった水田の埋没や流出など関東大震災で甚大な被害を受けた。不況で炭が売れず生活資源の一切を奪われ破産し、離郷する人も出たという。

 そうしたなか篤志農家の山崎喜一郎(当時43歳)が集落の49人をまとめ組合を作り、耕地を復旧拡張する工事に着手。護岸工事と3町8反の水田造成を4年がかりで完成させた。

 喜一郎の孫で町の教育長も務めた山崎司(まもる)さん(84)は祖父について「豪傑な祖父だったが、山や川に連れて行ってもらい特に可愛がってもらった」という。

 72年7月の台風8号による集中豪雨のなか、山崎さんは父・福之助の叫び声を聞いた。「まもる!オヤジのつくった堤防が崩れるぞ!しっかり見てろ!」-。喜一郎新田は雨でずぶ濡れになって叫ぶ父の誇りでもあった-。

 現在の新田は集中豪雨被害から復旧した姿。この物語は今後も「しみずやまぶき座」が伝承していく。

孫の山崎司(まもる)さん
孫の山崎司(まもる)さん
山崎喜一郎(1887〜1957)
山崎喜一郎(1887〜1957)
喜一郎新田(きいちろうしんでん)
喜一郎新田(きいちろうしんでん)
道路端にある完成記念碑(右)
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