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4月9日まで行われる駅弁掛け紙コレクション展に資料提供をした 瀬戸 曻(のぼる)さん 松田町松田庶子在住 73歳

掲載号:2017年3月11日号

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包み紙にノスタルジー

 ○…駅弁の老舗、東華軒に47年勤めた。弁当開発の仕事がきっかけで駅弁の顔ともいえる「掛け紙」の収集を始めた。コレクション歴は40年。”お宝”探しの骨董市めぐりに余念がない。自宅の「秘密基地」には時代を反映する2千枚の掛け紙がある。ご当地の風景や鉄道の路線図などの身近なものから戦時下に国威発揚を促すもの、国賓の来日を祝うものなど世相を反映した図柄もある。「掛け紙は時代の証人」という。

 ○…東京都三鷹市生まれ。父も祖父も鉄道マン。父が小田原へ赴任した50(昭和25)年に松田町へ移り住んだ。ナッパ服を着た父の仕事場で眼前に迫る車両に圧倒された。そんな父の給料日には家族そろって小田原駅前の「あさひ食堂」へ行った。カレーライスが想い出の味になった。やがて専門学校へ進み、あさひ食堂を営む東華軒に就職。管理栄養士として活躍した。当時を思い出し「運命を感じた」と目じりが下がる。

 ○…現役時代にわっぱ型容器の「こゆるぎ茶めし」の開発に携わった。海の幸と山の幸を曲げわっぱに詰めた弁当は東華軒の看板商品になった。弁当の顔ともいえる「掛け紙」には小田原城や富士山を起用してご当地感を醸し、発売初日には自ら店頭に立った。81年には肩掛け箱で弁当を売る”立ち売り”が国府津駅で最後を迎えその場に立ちあった。一つの時代の終わりを感じて涙が溢れた。今やデパートの催事で人気を博すようになった駅弁を今でも好んで買うという。

 ○…駅弁の「掛け紙」は時代や地域に分けてファイルに挟み、必要なものはすぐに取り出せるよう収納する。駅弁を作った思い出が甦ると話がとまらない。近ごろは6歳と0歳の孫の写真撮影にもいとまがなく、「会うたびに表情が変わるから楽しみ」なのだとか。少しずつ角度を変えて何枚も撮りため、収集している掛け紙の枚数を越える日もそう遠くなさそう。松田庶子で奥さんと2人で暮らす。

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