御殿場線沿線写真コンテスト2部門で受賞した 石井 良二さん 南足柄市狩野在住 65歳
写真で地域の語り部に
○…「びっくりしたよ」。御殿場線の魅力を伝える写真コンテストで、大井町と松田町の2部門で受賞した。写真歴は30年超。何気なく始めたカメラだったが、いつのまにか魅力にどっぷりとはまっていた。撮りたい写真のためには、時間を変えて朝昼晩、晴れの日、曇りの日、はたまた雨や雪の日と時間を惜しまず何度も撮影スポットへ足を運ぶ。「そんなにコンテストに興味はないけれど、やはりパンフレットなどに自分の写真が載るとうれしいね」
○…お気に入りの撮影スポットは県西地域。「勝手知った所の方が、良いものが撮れる」。タウン紙などに良いスポットを見つけると写真の構図に思いを馳せ、すぐに足を運ぶ。常にカメラを忍ばせ、良い被写体を見つけると「ダッシュで向かう」フットワークが武器だ。自宅裏の狩川では春めき桜が満開を迎えており「毎朝カメラ片手に2、3周しているよ。カメラがあるから外へ出る」。若さと健康の秘訣を力説する。
○…南足柄で生まれ育ち「おとなしい方だったんじゃないかな」と言うが、バレーやサッカー、陸上などが好きだった少年時代。小田原城北工業高校から、小田原の工場に入社。移りゆく時代の中で、どんどんと小型化されていくバッテリーの製造や開発設計に携わった。長年勤めた会社を5年前に定年退職し、2人の子どもも結婚し家を出た。「寂しくなったね。でも来月、孫が生まれそうでね」と目じりを下げた。
○…「南足柄は自治会活動に熱心」。この時季、地域で植えた色とりどりの花があちこちで咲く。地域の神社では威勢の良い掛け声が響く祭りも執り行われている。「せっかく地域が頑張っているのだから、うまく周遊する仕組みとかあるといいのだけれど」と持論を展開。地域の活性化を切に願う。「写真に残すことで、次世代に地域のことを伝えていくお手伝いができれば」。古くから知るからこその地域愛はひとしおだ。