南足柄市消防団(石澤明彦団長)が消防団員の減少対策で、日中の災害対応など特定の活動を行う「機能別消防団員」の導入を目指している。22日の市議会本会議で関係条例の改正案が可決されれば、7月1日から県内で初めて制度化される。
南足柄市の消防団は、南足柄市消防署(現足柄消防署)が設置される12年前の1960年に誕生した。消防職員の後方支援ではなく、初期消火を担う「火災を鎮圧する消防団」として機動力を発揮してきた。
消防団員の年齢は全国平均の40・5歳よりも若い35・6歳だが、08年頃から定員(252人)割れが課題となっていた。市防災安全課は「勤務形態の多様化で、市外で働く人が増えた。その影響があるのでは」と話す。現在の団員数は217人で9割が会社勤めで、昼間に対応できる団員を確保する課題もあった。
そこで消防職員とOBに声をかけ、主に日中の災害対応を行う「機能別消防団員」の導入を目指す方針を決め、開会中の市議会定例会に条例改正案を提案することにした。機能別団員は特定の時間に活動する勤務体系で2005年度ごろから国が導入を推進。全国に約1万4千人いるという。
市内で最も団員が少ない大雄町(2人)では、自治会内に消防職員と団員のOBで結成した「消防サポート隊」を設け補完しているが、制度上、団員が使用する資機材の取り扱いは認められていない。機能別消防団員の制度が導入されれば、サポート隊も消防団と同じ活動ができる。
上程中の関係条例の改正案では、定員を59人以内とする機能別消防団員の身分を明文化し年間報酬5千円を条文に追加している。15日の総務福祉常任委員会で付託審査され、22日の本会議で採決される予定。
お店も団員を応援
市が昨年10月に導入した「消防団応援の店」が開始から8カ月で63店舗まで増えた。消防団員が利用すると商品の割引やポイントカードの倍増などのサービスが受けられる。
消防団員を応援したい店舗は市防災安全課【電話】0465・73・8012へ。
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