ゆめクラブ南足柄の水彩画教室で講師を務める 渡邊 由利子さん 南足柄市和田河原在住
「いくつになっても成長」
○…老人クラブ連合会「ゆめクラブ南足柄」が6月から7月にかけて主宰する「やさしい水彩画教室」で講師を務めている。伝統と権威のある美術展覧会『二科展』で2015年に入選の栄を浴し、神奈川二科展では最優秀賞や県知事賞も受賞した。昨年は南足柄市議会の正副議長室に作品を寄贈した。地域の子どもたちに「絵画に興味をもってほしい」と女性センターやおんりーゆーなどで展覧会も主宰している。
○…2人の子どもが手を離れ「自分の好きな事をやらせてもらおう」と絵を始めたのは45歳の時だった。水彩・油彩どちらも描くが、メインとするのは油彩の『心象風景』。心にある風景や日々思っていること、感じたことを絵筆に乗せる。身の丈ほどの大作は毎日少しずつ描き、3カ月から長い時は半年をかけて制作する。筆が進まない時は庭に出る。年間を通して咲く花を愛で手入れする。作品にも花が描かれるのも特徴のひとつという。
○…和田河原の生まれ。「小さな頃はヘプバーンやアランドロンなどのプロマイドを描いていた」と少女のように笑う。小田原の高校を出て富士フイルムに就職。ご主人と出会い2人の子どもを育て上げ、定年まで勤めた。ご主人は10年前に早世し、息子夫婦と2人孫と5人で暮らす。「『良いお嫁さんね』って評判なのよ。ありがたいわ」と、自慢の嫁に感謝している。
○…「いくつになっても成長する」。これが持論。「もう歳だから、なんてことは絶対にない」という。「やさしい水彩画教室」で新たに出会った生徒と接して「これから『やろう』という意欲に」圧倒された。気持ちに応えるべく「満足いく講座にしたい」と知恵を絞る。第1回の教室を終えた直後の取材で「自分も一緒にやらせてもらう気持ちで接したい。少しでも前にいけたら」と話した。「積み上げたことを地域に還元したい」。その思いで7月28日の最終回まで指導にあたる。