洒水太鼓を守る会で40年指導にあたる 田代 一男さん 山北町平山在住 63歳
きっかけ与える教育
○…目の前にある、流れ落ちる雄大な洒水の滝から名前をもらい、立ち上げ以来、創作太鼓『洒水太鼓を守る会』の指導を続ける。今では子どもを中心に20人が集まり寺の境内で月に2回、夏は毎週練習に励む。今年で活動40年。「太鼓のおっちゃん」と、成人式に晴れ姿を見せに来てくれる子、教え子が親になり、子どもと参加するなど太鼓の輪は年々広がっている。
○…祖父の代から続く山北町平山の建設業『田代組』に生まれた。「今でこそ話せるけれど」、自転車で相手を転ばせる騎馬戦もどきや、台風の日を狙って酒匂川で泳ぐなどやんちゃな子ども時代だった。東海大卒業後、町内の生コン会社で修業。「発想力が素晴らしい」と尊敬する父の元に戻り、20年ほど前に三代目社長を継いだ。4姉弟の長男気質で会社を盛り上げる。社長となった今も現場に出ることもある。「個人宅の仕事は感覚が大事。喜んでくれるのがうれしい」
○…車が好き。今も1981年式の旧車を駆る。当時、担当フロントの女性の「生産終了になるから今しか買えない」との一言で即決。新車と人生の伴侶を同時に手に入れた。「お互いビビッときていたんじゃないかな」と照れ臭そうに話した。今は2人の娘を育てあげ孫が4人いる。夫婦2人暮しだが、近所に娘夫婦が暮らしているので「寂しくはないね」
○…「親以外の大人と接して、友達同士で色々経験する機会やきっかけを作る事が教育に繋がる」が持論。大人と子どもが一緒に活動するのが重要なのだという。「もっと子どもに活躍の場を」と、守る会だけでなく、お囃子や吹奏楽、ダンス、以前は手話や空手の演武などジャンルの垣根にとらわれない様々な”頑張る子ども達”の発表の場『子どもコンサート』も開催している。実行委員長と幹事長を兼任しながらも裏方に奔走する。「元気な子たちが、きっと将来活躍してくれる」と目を細めた。