足柄ロータリークラブの会長を務める 山本 研一さん 開成町中之名在住 63歳
人を生かし、生かされ
○…以前から、一度この人を書いてみたいと思っていた。2011年と15年の開成町長選挙に立候補して2度とも落選したが、その後も、サラリーマン時代の仕事で培った「人の暮らしに寄り添う」ことを生かし、生まれ育った開成町の「地域」で汗を流している。しばらくは選挙もないので、足柄ロータリークラブの会長に就任したタイミングで取材を申し込んだ。「いやぁ、嬉しいですよ。喜んでお受けします」と取材を歓迎してくれた。
○…7月から会長を務める足柄ロータリークラブは世界規模の奉仕団体に属する単位クラブで、メンバーのロータリアンが週に1度、一堂に会して研鑽を深め、職業を通じて社会に奉仕している。1990年の設立から17年が経ち、現在は32人が活動を共にしている。「従業員の生活をかけて会社を経営している方も多くいます。奉仕を通じて人に潤いをもたらすことができるのがロータリー」という。
○…1953年、開成町生まれ。92歳になる父は富士フイルムの関連会社役員として地域の発展にも尽力。町の助役として請われ、町長も務めた名士。両親の一粒種として育ち、大学卒業後に日産車体の連結子会社に就職。技術職から労働組合へ出向し、管理部門で長く人事の仕事を担った。親会社の意向により300人ほどの転籍を担当。夜間勤務の社員と深夜に面談し、自腹で飲みに誘うこともあった。社員の暮らしと寄り添った経験が「地域での活動に生きている」
○…昨年、箱根の日帰り温泉の社長に就いた。妻が育った実家の稼業を義母から受け継いだ。「選挙に出ることに戸惑っていた妻の背中を押してくれたのが義母だった。落選したから今こうして恩返しができている」と目を潤ませる。座右の銘は「温故知新」。中之名の自宅で父と妻、娘と4人で暮らす。町内に息子夫婦と娘夫婦、孫4人がいる。「孫のためにもいい地域にしていきたい」
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