福沢神社の総代代表を務める 山口 冨美男さん 南足柄市班目在住 82歳
「健康な体ありがとう」
○…南足柄の班目、怒田、竹松一帯に6人いる福沢神社の総代代表を務め、4月で3年目を迎える。神社には、江戸幕府の第8代将軍、徳川吉宗の命を受けて酒匂川に「文命堤」を整備した田中丘隅建立の「文命東堤碑」がある。落成後に丘隅の手で地元に下賜されたとみられる「のぼり旗」が見つかった。「研究家の方が色々と調べてくれて重大さを実感している。勉強になり有り難い限りです」と大きく何度もうなずいた。
○…南足柄市班目の菓子店の次男に生まれた。子どもの頃の思い出はフォード製のトラック。商店から運送業に転じた父が乗っていた大型トラックで、戦前の当時は「県西地域随一」の代物で、それが自慢でもあった。その父が早世したため兄が家業を継ぎ、兄の後を追い高校卒業後に免許を取り65歳までドライバーを続け、82歳の今も配車を担う。「今も現役です。あんまり給料を取ると年金が減っちゃうから大変ですよ」と目尻にシワを寄せた。
○…1936(昭和11)年生まれ。福沢小学校から文命中を経て旧吉田島農林高校に進んだ。子どもの頃は兄の後を追いかけ「水鉄砲に弓矢、ヤツデの実を鉄砲玉にして遊んだ」。福沢神社の近くにあった工場に勤めていた、気仙沼出身の奥さんと出会い家庭を築いた。一女一男に恵まれ、現在はそれぞれ近居で孫が6人いる。「年の割には小さい孫がいるから大変ですが、本当に幸せですよ」
○…「健康な体をもらった」「総代代表になれたお陰で勉強できた」「周りの人にも恵まれている」と感謝の言葉が尽きない。酒も煙草もやるが病気は何もない。昔は「晩酌に一升」が日課だったが今は「覚めがいい」焼酎にしている。今年の例大祭(5月5日)では戦後初めて「文命のぼり旗」を神社に掲げる。その時のあいさつに勉強の成果を盛り込み「子や孫にきちんと伝えていきたい」と意気込む。奥さんと息子夫婦、3人の孫の7人家族。