病気により徘徊してしまう人を早期発見するための実証実験がこのほど、南足柄市内で行われた。市が今年秋に配布する予定の「シール」の効果を検証するために産・官・学・市民が連携している。
2015年に市が実施した調査によると、介護保険を利用している市民は1698人で2000年の525人から3倍以上に増加している。
翌16年に市の担当者が実施した独自の集計結果では保険利用者のうち介護が必要になった原因疾患として第1位にあげられた疾患は「認知症」で、それまでトップだった脳血管疾患の15%を上回る全体の24%を占めた。この時の利用者数は1697人だった。
南足柄市内には認知症を患う人が少なくても400人以上いると見られるが市高齢介護課では「第1位としていたのが全体の24%で、2位と3位、さらに介護保険を利用せず家族で認知症介護をしている家庭も含めればさらに増えるのでは」と見ている。
オレンジネット
この日の実証実験では高齢介護課の保健師や社会福祉士ら3人が認知症の高齢者役をつとめ、地域課題に取り組む「南足柄みらい創りカレッジ」で、徘徊する高齢者を早期発見するための取り組み「南足柄市オレンジネット」に参画する企業、学生ら30人が参加した。
メンバーらが考案したシールを身に着けた高齢者役の職員が街を歩き、どの程度声掛けしてもらえるかなどを観察。シールには連絡先の電話番号を記号化したQRコードを入れた。改良を加えて秋の配布を予定している。
相談は気軽に
南足柄市の認知症対策は県内自治体でも先進的で2010年に始まった。予防から早期受診、早期治療を促す取り組みから、認知症患者や家族への支援まで多岐にわたり、職員が県などの依頼を受けて全国各地で講演するなど活躍している。
こうした事業とみらい創りカレッジが共同で認知症対策に取り組むことで、健康で安全な地域づくりを進めている。
認知症に関する不安や困りごとには各地の地域包括支援センター(下記参照)が随時相談を受け付けていてプライバシーも保護してくれる。
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