「非常食レシピ」を考案して普及活動に取り組む 関 直子さん 南足柄市飯沢在住 46歳
人のため、人を助けるが信条
○…今年3月にりんどう会館で開かれた講座「避難所生活」の中で非常食作りのレシピを発表した。もともと料理は得意分野だった。災害ボランティアの活動の中で自分が持っているナチュラル・フード・コーディネーターや食品衛生管理者の資格を活かし、非常食の見直しをしてみようと思った。食べながら備え、消費期限切れを防ぐ「ローリングストック法」にあわせ試行錯誤。カップ麺や缶詰を利用した主食、デザートなどのメニューを2カ月がかりで考案した。9月10日には大雄町公民館で非常食の作り方を紹介する。
○…1972年南足柄市中沼生まれ。「小さい頃から母に厳しくしつけられた」という。高校3年の時、その母が他界。以来、家事とダウン症の兄のことなどを一手に引き受けた。卒業後は地元化学系企業に就職。20歳で結婚して一児をもうけた。16年間コンビニでパート勤務。「2度離婚した」とサラリと話す。「下を向いても仕方ないですから」と明るい。
○…5年前に社会福祉法人足柄緑の会に入職し、同法人が運営する和田河原駅そばにあるカフェの店長を務めている。母親仕込みの料理の腕前が役に立つ。調理をしながら、コスモス学園に通う人たちがカフェでフロア係をする就労の支援員をしている。「彼らが生き生きと働いているのを見られて嬉しい」と語る。
○…小田原市の消防職員で構成された災害ボランティアチームDARSTに、この春加わり協力している。「人のため、人を助けたい」。根底にあるのは、弱者への思い。「お菓子作りとお酒とDVD鑑賞はリフレッシュメント」と笑う。時折、兄と姉と出かけることも。尊敬するのは「お母さん」。25歳の息子はすでに独立している。きょう9月1日、防災の日が誕生日。