▽地方自治法の第91条には「市町村の議会の議員の定数は、条例で定める」と記されている。かつては、市町村の人口に応じた議員定数の上限枠を自治法で定めていたが、地方分権が進んだ2011年にその上限枠は撤廃された。そのため市町村の市町村が主体的、能動的に議員定数を決定することとなった。法の趣旨に沿えば、人口同規模の町でも議員定数が異なることもある。
▽山北町議会が今月13日に、現行の定数14を12とする議員削減案を賛成少数で否決した。4人の議員が削減を発議したが賛同は得られなかった。どの自治体議会も、議員定数に明確な根拠を見いだすことに苦労していて、定数の議論には正解・不正解がないのが定説だ。その点を踏まえれば議会における議論のプロセスや議員個々の日ごろの活動が、町民感情のより所となる。
▽町議会は議長の求めで、2017年6月から今年8月まで全13回の検討を重ねた。議員定数のほかにも、報酬、手当、なり手対策、議会中継の導入やタブレット利活用、長期欠席議員への対応も議題だったというが、欠席議員の報酬減額と定数維持を除いては、ほとんど結論出さず、先送りする結果となった。
▽議員定数の維持や一連の協議結果に異論をはさむ余地はないが、協議の場が事実上非公開で行われたことに違和感を覚えた。なかでも議員定数については、議員のみならず町民も巻き込み万機公論を期すべき重要事項であったはずだ。発議があって初めてその議論が公になることが果たして健全な地方自治や民主主義を実践する議会運営だったのだろうか。
▽山北町議会は良くも悪くもチームワークがいい。足の引っ張り合いやポストを巡る権力闘争とは無縁だ。そうした風土もあってか、13回の検討では「発言する議員が少なく議論が深まらなかった」との証言が多くあった。前回無投票の山北町議会は来春に改選時期を迎える。人口減少と少子高齢化に直面する町において議会の役割は大きい。もっと開かれた議会であるべきではないか。
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