足柄版 掲載号:2018年12月8日号
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企画展を開催する若手木工職人による「いぶき会」の会長を務める 小島 裕平さん 南足柄市竹松在住 29歳

寄木に大恋愛中

 ○…地場産業として木工が息づく小田原・箱根。職人を志す若者が憧れる地だ。一方、製品に興味をもつ多くは中高年。「若い世代にも興味をもってほしいけれど、PR方法を考えるのは製品づくりより難しい…」。職人気質の精悍な横顔に弱気がのぞくが、廃れさせないために避けられない課題だ。そこで若手職人のアイデアを結集し、クリスマスをテーマに展示会を企画した。「思い描く世代に届くか。僕らの挑戦です」

 ○…進路に悩んでいた高校3年の頃、ふと家にあった寄木の秘密箱を手にした。「伝統工芸品なのに、仕掛けもあるなんてすごい」。一目惚れだった。早速箱根の土産物店へ出掛け、他の製品を見学。恋心が本物と確認すると、箱根物産連合会の紹介で箱根町の製造所に面接を申し込んだ。「親には訓練校を勧められたけれど、入れるなら入っちゃえ…と」。若さゆえの勢いもあり事はトントン拍子に運んだが、実は人と話すのが苦手。社長を前に緊張で固まった。そこで同席した父親が助け舟を出し、熱意を代弁してくれたおかげで採用が決定した。

 ○…あれから10数年、今なお大恋愛中だ。公園で3歳と5歳の我が子と過ごすのと同じ位、仕事が楽しくて仕方ない。もちろん苦労もあるが、「物事を割り切って考え、受け入れることができるタイプだからかな」。いつも飄々とした様子に、周囲から「ストレスは感じないの?」と不思議がられることもしばしばだ。

 ○…「寄木をファッションにも生かしてみたい。たとえばベルトのバックルとか」。代々継承されてきた技に敬意を払いつつも新たな分野へ挑戦するのは、単なる興味本位ではない。伝統を守るためには、時代に応じた変化が不可欠と信じるからだ。「次の世代へ受け継いでいくこと。それが先達への恩返しだと思うんです」







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