小田原市内の飲食店が、塩分控えめの健康メニューを期間限定で提供している。脳血管疾患の予防に取り組む市から委託を受け、小田原食品衛生協会(食協)が展開する適塩推進プロジェクトの一環。
小田原市が、健康寿命の延伸を目的に「市健康増進計画」を策定したのは2013年度。当時、市の脳血管疾患による死亡率は県内19市のワースト(人口10万人あたり114・8人)で、国の値も大幅に上回っていた。その改善策のひとつが、市民アンケートで国の基準よりも摂取量が多いことが分かった塩分量の適正化。
市から3カ年で委託を受けた食協は、減塩・適塩をテーマに事業を展開。1年目は市民からレシピを募集した「健康具だくさん味噌汁コンテスト」を開催、2年目には調理人が開発した健康メニューを紹介するレシピブックを作成した。
最終年度となる今回の企画が「健康おだわらイイ塩梅フェア」。1月15日〜3月15日(金)の期間限定で、適塩・減塩メニューが飲食店で味わえる試みだ。
参加28店舗で提供されるのは、「1献立3・5g以下」「1品1・5g以下」または「現行メニューの塩分を25%以上カット」の料理や食品。参加店とメニューを紹介する「健康おだわらイイ塩梅MAP」も市内各所で配布してPRしている。
出汁と旨味、香りで工夫
南町の「えじま 和カフェ&陶器」が提供する、「減塩フィッシュドッグ ランチセット」(1000円税込)は、パンにはさむ小田原名物かます棒、セットの和風ミネストローネ、豆乳豆腐、サラダ、和風ピクルスを含め食塩相当量が3・4g。「豆腐クリームのキノコと長芋のグラタン」(600円税込)は同1・5g。それぞれを週替わり、数量限定で提供し女性や年配者の注文が多いという。代表の岩田雅子さん(58)は、「塩分控えめでも美味しく食べてもらうために、出汁や旨味、香りなどに工夫した」と話す。
小田原市健康づくり課によると、市の17年度の脳血管疾患による死亡率は88・9人に低下、全国平均88・2人とほぼ同水準になった。同課では、食協との事業による3年間で「すぐに効果が出るわけではない」としながらも「メディア等にも取り上げられ、市民に適塩の意識を持ってもらうきっかけのひとつになったのでは」と話す。食協の市委託事業企画委員会委員長の山本聡さん(51)は、「各店の特別メニューをぜひ味わって、日頃の食生活を見直すきっかけにもしていただきたい」と呼びかけている。参加店舗は市、食協のホームページでも確認できる。
小田原市HP/http://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/welfare/health/brain/ki-20180560.html。
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