書芸術の向上と国内外の文化交流、人材育成などを目的とした公募展「第35回記念21世紀国際書展」(主催/産経新聞社、21世紀国際書会)で、南足柄市の山田篤子さん(雅号/山田香峰)が最高位にあたるグランプリを受賞した。
山田さんが受賞したグランプリは、そもそも実績のある審査会員を対象としたもの。この書展が始まったころから応募しているという山田さんも「いつかはたどり着きたい」と思っていた憧れの賞でもある。受賞の知らせを受けて「長くやってきて本当に良かった」と笑顔があふれる。
作品は7月19日まで横浜市民ギャラリーで展示中。聞けば「家族愛」と「孤独」という相反する内容をあらわした和歌がテーマだという。詠まれたシーンを想像しながら文字の書き方、余白の取り方、墨の付け方、かすれ具合などを計算。全体イメージのために、ミニチュア版を作成するなど、試行錯誤を重ねて完成させた一枚だ。納得のいく作品ができるまで、本番用の紙に書いたのは30枚以上。うまくいかない時の産みの苦しみさえも「書の面白さ」と自分を奮い立たせた。
日々、制作に没頭する生活かと思いきや、肩ひじ張らずに自然に向き合うのがモットー。筆を持たない日もあるという。通算すれば50年にも及ぶ書歴の中で、目指していたものをつかんだ今、今後の目標について聞くと「やはり、書いていないと落ちるし、自分の字を恥ずかしく思うときもある。まだまだ勉強ですね」と山田さん。小学生の頃に書を始めたきっかけを問うと「運動が苦手だったからですよ」とほほ笑んだ。
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