2019年度から整備が進められてきた足柄消防署岡本出張所(南足柄市岩原)の新庁舎がこのほど完成し、12月7日から運用が開始される。大規模な災害時にも消防サービスを提供できるよう、非常用発電設備を取り付けたほか、庁舎を活用した訓練施設、女性消防職員用のスペースを設けるなど、新たな機能も取り入れた施設となっている。
岡本消防署旧庁舎は開所から42年が経過。小田原市が16年度から進めている「消防署所再整備計画」に基づき、耐震基準を満たしていないなどの理由により建て替えが行われたもの。新建物は鉄筋コンクリート造2階建てで、延べ床面積は611・83平方メートル。旧庁舎より76平方メートルほど広い造りになっている。
1階車庫には5つの部屋が設けられ、建物に向かって左から救急消毒室、着装室、洗濯・乾燥室、倉庫、危険物倉庫の順番とするなど、駐車する車両の用途に合わせた配置となっている。
大規模災害時にも継続的に消防サービスを提供できるよう、屋上には停電後も72時間は連続稼働が可能な非常用発電設備を取り付けた。
車庫内2階にある「キャットウオーク」は、建物のベランダを想定した救助訓練等に利用できる。また、手すり部分ははしごをかけても壊れないように強度を持たせたり、外階段はアパートやマンションの災害に備えた訓練に活用できる造りにしたりするなど、限られた敷地面積で必要な訓練を行えるようにと工夫を凝らしている。
職員のプライバシー等にも配慮しているのも特徴の一つ。これまで一カ所だった仮眠室を個室にしたほか、女性職員用のスペースも新たに設けた。また、緊急時にスムーズな出動につながるよう職員が利用する仮眠室や食堂といった部屋から車庫までの動線上は、移動に合わせて自動で照明が点灯するようになっている。
関係者決意新たに
開所に先立ち、11月24日には関係者による施設説明会が開かれた。冒頭あいさつで加藤修平南足柄市長は「地域の皆さんと一体となって安全・安心の街づくりに努めていきたい」と決意を新たにした。
岸成典小田原市消防長は「2市5町の住民の方から信頼される消防サービス、現場活動で成果を上げる」ことの大切さについて話した一方で、消防職員の働きやすさが地域の安心・安全につながることについても触れ「住民のために、しっかりと職責を果たしていきたい」と力強く思いを述べた。
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