開成町戦没者遺族会会長兼神奈川県遺族会副会長の遠藤成雄(せいお)さん(開成町在住・81)が昨年12月、2021年度援護事業功労者の厚生労働大臣表彰を受けた。戦没者遺族や戦傷病者などの援護事業に携わったことが評価された。
遠藤さんは「大変名誉なことでうれしいです。今後も活動に従事していきたい」と受賞の喜びを語った。県内で表彰されたのは遠藤さんを含め3人。
町遺族会は追悼式、平和のつどい、靖国神社参拝、平和講演会開催など年間行事の他、戦争体験者による講演会の開催、後世に伝え残すために体験談を書籍やDVDにするなど記録保存に尽力してきた。また、戦争体験者の話しや当時の写真、資料などが盛り込まれた「太平洋戦争を語り継ぐ」を発刊している。
戦争の悲惨さ伝える
遠藤さんは2歳の時に父を太平洋戦争で亡くした。「記憶は全くない。写真と母から聞いたことだけ」と話す。家計は苦しく奨学金で高校に入り、卒業後は国鉄に入った。その後、民営化など激動の時代を経て、定年まで勤務した。
33歳で戦死した父の無念さを思い、戦争という悲劇を繰り返さないために開成町戦没者遺族会の役員となり精力的に活動を開始。10年に副会長、16年から会長を任されている。また、21年からは県の遺族会副会長も務めている。
現在開成町戦没者遺族会の会員は52人で、平均年齢は80代と会員の高齢化は課題となっている。「全国的に青年部の立ち上げがあり、神奈川県でも動き出している。次世代につなぐために新たな形も必要と考えている」と意欲を示した。
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