今年6月に山北町の酪農家、島崎薫さん(29)が大野山で開牧した「薫の牧場」で1日午後、初めて仔牛が誕生した。
出産した牛はジャージー牛の6才「たらちゃん」。
岩手県岩泉町の中洞牧場で生まれ過去2頭を出産。種付けされた状態で4頭のメス牛とともに大野山へやってきた。
相模原市出身の島崎さんは中洞牧場のある岩泉町から2年前に共和地区へ移住。中洞で学んだ山地酪農を広めたいと地元の神奈川にUターンし、地域住民や役場、県などの支援を受けて起業した。
山地酪農は牛を山に放ち草を自由に食べさせ、牛の糞尿をたい肥に山の代謝を維持、改善させるのが特徴。出産前や子育てに余った乳を搾乳して加工品や牛乳を生産するため、環境配慮や健康志向の高まりなどで注目を集めている。
牛舎で牛乳を量産する一般的な酪農とは異なるため生産性は低いが、草食動物である牛本来の営みを尊重して育てるため、投資額は少なくて済むなど利点もある。
薫の牧場には開牧に合わせて中洞牧場から5頭のメス牛がやってきた。残る4頭も来年2月から4月に出産を控えている。
島崎さんは「ここまで順調に適応している」と手ごたえを感じている。
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