竹風書芸会の会長を務める 小林 清風さん 南足柄市三竹在住 87歳
透視的な立場からのいきかた
○…第20回目の竹風書展は南足柄市文化会館で61人の作品が展示され、賑やかに開催された。「節目の開催となりました。作品に自信があふれ、実力も伸びていると感じる。来場者に『ここの展示は面白い』『多彩』と言われ嬉しい」と頬をゆるめる。会場ではバイオリンの演奏も。「芸術のコラボで人の心にしみる催しになった。大成功でした」と満足そうな表情をみせる。
○…竹風書芸会は、故高橋竹村氏が創始者である照心書道会の支部。照心書道会は県内に100あまりの教室があり、約2千人の生徒がいる。自身は高橋氏に師事し、照心書道会の名誉会長も務めている。書道を始めたきっかけは、同じ職場で高橋氏の長女と結婚したことだった。
○…教師生活40年。理科教育に心血を注ぎ、日本初等理科教育研究会の理事長を務めた。松田小学校で18年間勤務し、そこで出会った校長の薫陶を受け「教育に理科も社会もない。子どもを育てることが全て」と悟り、現場教育の大切さを認識し、その路線を貫き通した。妻は「頑固な人」と言うが、それは「一度決めたことは曲げない」という意味。半面、誰の意見にも耳を傾ける柔軟性も持ち合わせている。書道を始めたのも校長の影響を受けた直後だったという。座右の銘は「透視的な立場からのいきかた」。「いきかた」は「生き方」でも「行き方」でもあるという。米寿目前ながら「やるぞ」という気迫あふれる表情が印象的だ。
○…「新しいものを追求するには、古典を学ぶことが欠かせない」と持論を展開し、書芸会の生徒には自由な作風を求める。「今回の書展も個性的な作品が並びましたね」とご満悦だ。趣味の旅行は忙しい時間を縫って。どんなことにも全力投球が身上だ。
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