小田原箱根商工会議所箱根青年部23年度会長に就任する 駒 慎司さん 箱根町芦之湯出身 40歳
壁を越えて、ひとつに
○…名刺を差し出し「姓の『駒』は駒ケ岳の駒です」と笑顔を見せた。出身地は歴史情緒あふれる箱根芦之湯。泉質の良さや町の雰囲気など地元を語りだすと止まらない。「一言で箱根といっても各地域に歴史と個性がある。その集合体が箱根の奥深さであり愛される理由なのでは」。新会長の活動スローガンは「箱根ユナイテッド」。町内外から集う56人の青年部メンバーは職種も年齢もさまざま、町の縮図のような組織だ。
○…青年部に入って数年後、河川敷を会場に足湯の大きさでギネス記録に挑戦する企画が持ち上がった。長さ50㍍、もちろんそんな巨大な足湯はない。自分たちで木枠を組み温泉を引いて作ることに。立ちはだかった幾多の壁は、知識と経験を持ち寄り乗り越えた。
○…メンバーのまなざしは常に地元。箱根をいかにPRすべきか常に思考が渦を巻いている。震災の自粛ムードにより箱根は未曾有の打撃を受けた。鉄道ダイヤを始め全山がようやく日常に向け動き始めているが、気がかりな様子。「これから気温が上がるシーズン、首都圏の方が涼しい箱根で休日を過ごせば節電にもつながる。これでお客様が増えれば」─。
○…箱根小、明星中、足柄高校を卒業し関東学院大に進学。父が外車「ミニ」の修理の専門家だった縁もありイギリスの旅行関係企業へ。その後両親が相次いで他界、箱根に戻り母が担当していた保険の業務を受け継いだ。普段は代理店として県西を駆け回る日々。
○…愛車はやっぱりミニ。洗練されたファッションと面影から、仲間からは「クォーター」と呼ばれる。海外の雑貨が好きで、ビンテージ物を抱え即売会に出ることも。価値観を共有できる仲間が増え、こうした縁が時に仕事に通じるという。亡き父が背中ごしに言っていた言葉は「仕事も遊びも全力でいけ」。どこにでも顔を出し、動く、形にするのがポリシー。「青年部ですから」。たった一言がなんとも頼もしい。
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