修理の釣り船、被災地へ 高橋敏光さん(真鶴)などが協力
今月11日、一艘の船が真鶴マリーナから被災地・石巻市に向けて出航した。小田原漁港で30年間釣り船として活躍したこの船は小田原で船宿を営む久保田源太郎さん(小田原市)が提供、高橋敏光さん(真鶴・リキレーシングマリーンサービス)が修理を手掛けた。
牡鹿半島(女川町・石巻市)では760艘の漁船のうち730艘が津波の被害を受け、漁に出られるのは30艘になったという。友人を通じて被害を知った高橋さんは各方面に協力を要請。そこで見つかったのが釣り船「坂口丸」だった。オーナーの久保田さんは「古い船。どうせなら被災地の役に立ってほしい」と無償提供を快諾。船は陸に上げられ、修理は高橋さんが担当することに。「船はしっかりしていてエンジンも調子良い。まだまだ走れる」―船底やプロペラのフジツボは削り落とされ、船は塗装も新たに生まれ変わった。船の新たな主人は石巻でワカメなどの養殖を営む安部敏治さん。安部さんは病で足の切断を余儀なくされた娘のために自宅をバリアフリーで新築したが、その家と船2艘を津波で失った。船は到着後、安部さんの息子の名前にちなみ「優斗丸」に改名。今日も東北の海を駈けている。
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