米国のドールショーでも展示 本物そっくり 湯河原生まれの赤ちゃん人形
実物そっくりの赤ちゃん人形を手掛ける人形作家が湯河原に住んでいる。
山田昭枝さん(49・同町中央)の自宅兼工房には赤ちゃん数体が寝かされ、さながら新生児室の光景だった。抱かせてもらうと、しっかりと重さがあり、つぶらな瞳といい、据わらない首といい、徹底的に再現されているのがわかる。山田さんは湯河原生まれの湯河原育ち。小さい頃からリカちゃん人形が好きで人形収集の傍ら10年前から人形製作を始めた。欧米から取り寄せた樹脂粘土を練ってアルミの骨格に肉付けし、2度の焼成を経て完成させる。肝心なのは形づくりだが、美術の経験はゼロ。もちろん教えてくれる人などいない。作っては身内の助産師から感想を聞き、公園を歩いては実物の赤ちゃんを見て研究したという。「最初はもう山のように失敗しました」。赤ちゃん専門作家は国内でも珍しく、数年前からはアメリカ・フロリダ州で開催される世界的なドールショーにも出品。高齢者向けの「ドールセラピー」でも作品が活躍している。