足下郡家存在の証か 小田原で「美濃国」刻印の須恵器出土
小田原市内で「美濃」の刻印がされた奈良時代の須恵器が出土したのを受け、現在、小田原の郷土文化館(小田原市城内7の8)で公開展示されている。奈良時代の須恵器が出土したのは関東では初めて。
「美濃」という刻印は、古代の律令制下の美濃国を表わし、現在の岐阜県岐阜市を中心に限られた地域で生産されたものに印されている。これまでに岐阜、愛知、大阪など1府5県の55遺跡から出土。長野県佐久市で出土したものが最も北東で、今回の須恵器が生産地から最も遠い出土例となる。美濃国の須恵器は中央や地方官庁に流通していた可能性も指摘されており、今回の出土で、当時の地方官庁のひとつ、相模国足下郡家(あしのしもぐうけ)の存在を裏付ける貴重な資料と考えられている。
展示期間は6月30日(土)まで。時間は午前9時から午後午後5時。入場無料。展示に関する問合せは郷土文化館【電話】0465・23・1377または小田原市文化財課【電話】0465・33・1715。