目指せ!真鶴の新名物 廃棄する石粉で「本小松石焼」
真鶴の名産・小松石の加工で出る石粉が、注目され始めている。都内など拠点に活動する「陶研究会」(萩原茂樹会長)が作っているのは石粉を釉薬や本体の粘土に混ぜて焼いた器。昨年暮れ、陶芸雑誌に「本小松石焼」として紹介した。
きっかけは3年前、同会が生命の星・地球博物館の学芸員・笠間友博さんに陶芸用の土について相談したことだった。紹介されたのが、箱根火山の溶岩であり真鶴名産でもある本小松石。同会は石材店で出る石粉を知り、真鶴の(有)芦澤石材を訪ねた。「粉が利用できるかも…とはうすうす感じていた。月に1トンほど出る廃材なので、こっちとしてはありがたい」と専務の芦澤潤さん(39)は話す。
同会は譲ってもらった粉を粘土などにブレンドしてテストを開始。その後小松石は鉄を含み、益子焼に使われる芦沼石などに成分が似ていることや、粘土に混ぜると従来より低い温度で焼き上がることが分かった。昨年秋には陶芸雑誌「陶遊」に本小松石焼を紹介。さらに真鶴町の龍宮祭の出店に並べたところ、100個ほどが売れた。同会では今後本小松石焼の特産品化に向けて働きかけるという。