新しく早川河川漁業協同組合の代表理事組合長に就任した 細川 孝さん 箱根町大平台在住 57歳
母なる早川とこれからも
○…「河川漁業協同組合長」のイメージを裏切る作務衣姿で登場。本職は「旅館の雑用係ですから」と笑う。幼い頃から親しんできた早川の自然を守る団体のトップに立った。釣り好きの叔父の影響で組合に加入してから、かれこれ40年近く。年齢的には先輩も数多くいるが「経験が助けてくれるよ」と、気負う様子はない。
○…生まれてからずっと、箱根町大平台が「庭」だ。手ほどきを受け、10歳ころからヤマメ釣りに熱中した。東海大学水産学科では、「平たく言うと、魚の病気を治す勉強」に励み、魚の養殖アルバイトを経験後、小田原魚市場に就職。とにかく魚とは切り離せない人生を歩んできた。7年前に家業の温泉旅館「玉の湯」に戻り、今では掃除にお茶出し、お客さんの話し相手と、なんでもこなす。ひまを見つけては、森の中を探し歩いた素材で、魚をすくうタモ作り。「こんな所に小さな滝があったとか、緑がきれいな季節になったな、とか」自分の足で歩けば歩くほど見つかる早川の自然、魅力が尽きることはない。
○…「自然相手に勝とうなんて、絶対に思わない」。随所でこぼれる言葉は、自身が密に関わってきたからこそ。多い時は週に3日、早川へ足を運ぶ。曰く「雨の後の釣りは好条件」。増水した川に流されそうになったことは1度ではない。川の中で、すっぽり空いた穴にハマったこともある。こうした経験を重ね、川との付き合い方を体得した。「母は呆れて、あきらめていたね」と飄々と笑う。今では大学生の息子とも川に出かけるが、「教えるのはヘタなんだよなあ」と照れ臭そうに頬を赤らめた。
○…かつては500人いた組合員も、現在では半分強に減った。反比例して増えてきたカワウなどの害獣対策に加え、組合員増強も、今後の課題の一つだ。「組合」という名から、敷居が高いのかと思いきや「釣り好きならどなたでもウェルカムですよ」
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