オープン10年の節目を迎える箱根駅伝ミュージアム 初の女性館長 勝俣真理子さん 仙石原出身 50歳
頑張る人の、もっと近くへ
○…心の中でつぶやいた「私でいいんですか?」。箱根駅伝のゴール横、箱根駅伝ミュージアムで初の女性館長に任命されたのが、今から1年前のこと。10年前にミュージアム立ち上げに携わった経験もあったが、当時は母体の富士屋ホテル営業部が職場。驚きと同時に気持ちを切り替え名刺も「館長」に。オープン時に比べて団体の来館者が増えており、年々ミュージアムの名が浸透しているのが分かる。ここは箱根駅伝でつながる人々が、感動を再確認する場所。「お父さんの名前だ」「実は走ってたんです」。選手はもちろん、その子や孫が親の活躍をアーカイブで検索している。箱根駅伝を目指す中高生に出会う日も。「やっぱり女の子のファンが多いですね」とにっこり。
○…生まれ育った仙石原は今よりも畑や田んぼが広がり、のどかな風景で、男の子に混ざりザリガニを釣ったり、アケビを獲ってほおばったり。仙石原中学校時代に出会った体育の先生の熱血ぶりに触れ、いつしか進路は「体育」一筋に。球技や投てきなど陸上種目に打ち込み、数々の大会に出場。振り返れば「机の授業は眠すぎる」体育会系女子だった。小田原城内高を経て日本体育大学女子短大に進学。スイミングスクールでのコーチとして働いた後、有名プロゴルフ選手の事務所で実務経験を積むなどして、地元の富士屋ホテルに就職した。
○…休日にはサッカーの国際試合に行く事も。「テレビ画面と違って全体の流れや見たい選手が観られる。やっぱり臨場感が違いますよね」。駅伝で母校・日体大が勝てば心の奥底でやっぱり嬉しいが、毎年願うのは「出場選手全員が無事にゴールしてほしい」。秋の出雲駅伝や全日本駅伝をはじめ、記録会にも足を運んで各チームと交流している。テレビに映らない「大勢」に会うためだ。ゴールのそばにいるけれど、目指すは汗をかく人の傍。館長はなかなか椅子に座れない。
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