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元湯河原小教員神保映さん ネパールとの往復18年目

公開:2014年9月12日

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現地の女性たちにアドバイスする神保さん=中央「仕事はゆっくり丁寧に、儲けを考えて粗雑になると後に響くよ」
現地の女性たちにアドバイスする神保さん=中央「仕事はゆっくり丁寧に、儲けを考えて粗雑になると後に響くよ」

現地に暮らし職業訓練支援

 ネパールで自立支援に携わる神保映さん(吉浜在住・71歳)が、先月30日に小田原市で活動報告を行った。神保さんは18年前「ネパール教育支援の会」(NESA)を立ち上げた一人。1年のうち数か月間は首都カトマンズに暮らし、現地スタッフと同会が開いた職業訓練施設を運営している。ここでは自立を目指す女性たちが服の仕立てや経営などを学んでいる。

 神保さんは元・湯河原小学校の教員で冨田幸宏町長も教え子の一人。教壇に立っていた頃から「50歳を過ぎたら海外で第二の人生を送る」「単に暮らすのではなく社会参加する」と決めていたという。ネパールにはトレッキング旅行に出かけた経験もあり、51歳の時に日本語教材とビザ申請書をカバンに詰めてネパールへ飛んだ。当時は長期滞在の手続きに苦労したという。首都カトマンズ郊外の建物を借り、技術教育のため現地で裁縫学校を開くと、すぐに口コミで広がり40人ほどが集まった。その後、裁縫だけでなく仕入れや営業など経営をまるごと教える工房を開設。現地はよく停電するため、使うミシンは電動ではなく足踏み式。文字が読めない生徒には読み方も教えている。これまで修了生たちが開業した店や分校も含め、今やネパールでの拠点は80カ所以上に増えた。夢を叶えた修了生たちの後姿は後輩たちの目標になっている。こうした活動を支えているのが約400人のNESA会員だ。

助けられた人は助ける人になる

 わずかな湯河原への里帰りの間はNESA総会での活動報告や会員とのメール交換などに忙しい。吉浜の自宅隣にある作業小屋には生徒たちが作った布製品が積まれていた。今の目標は後継者づくり。仮に自分がいなくなっても現地の人が運営できるようにすること。神保さんは喘息を患っており、ネパールでの暮らしに耐えられる時間は限られている。「助けられた人は、今度は助ける側になってほしい」。願いを胸に、神保さんはこの秋再びネパールに向かう予定だ。

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