真鶴町で3回目
”開かれた議会”が、みずからに課した議会報告会が、3回目にして存在意義を問われている。町民の要望や意見に対し議員は会場で個人的見解を語れず、議会を代表して答えざるを得ない。先月26日の報告会では「町に伝えます」を連発する受け身ぶりに、参加者からは「これは儀礼か」「個人の意見が聞きたい」と辛口の声が続出した。
会場は商店街に面し、外からも様子がうかがえる情報センター。以前よりも入りやすいものの、第1回目に60人いた参加者は今回24人に減少。そのほとんどは年配の男性だった。出席町議は1欠でほぼ全員が顔をそろえた。
前半は委員会のメンバー構成や主な活動内容、審議件数など淡々とした報告に割いた。後半の質疑応答では「11人の議員がいて年間の活動日数はどれほどなのか」「プレミアム商品券の効果検証は」「どうしたら町に若者がとどまってくれるのか」など様々な声が上がった。隣町と大きな料金格差のある水道事業や人口減少問題をはじめ、町の課題は山積している。しかし今回はあくまで議会としての報告。町の論点を解説し、議員らが公平に、個々の意見を語れる時間もなかった。参加者は手ぶらの人がほとんど。考えるための資料は手元になかったが、中には「水道料金の事は初めて知った。来て良かった」と語る人もいた。
真鶴では議員と住民による自由な「意見交換会」もあり、過去に自治会関係者のために開いた経緯もある。町民が求めるのは、何なのか。開かれた議会に新たな宿題ができた。