噴火警戒レベルが1になった大涌谷で、火山ガス濃度が観光客の立ち入りを阻んでいる。県や町は先月19日に火山ガスの専門家3人を招いて専門部会を開いたが、ガス濃度が依然高く「規制は維持」という結論となった。
濃度依然高く
県や町は大涌谷園地や周辺の県道で二酸化硫黄や硫化水素の濃度を計っているが、一部で4〜10ppm程の二酸化硫黄を検出。心臓や呼吸器に疾患をもつ人は0・2ppm程度で発作を起こす可能性もあり、立ち入れる状況にないという。これらのガスは空気より重く、県道の大涌谷橋付近は沢に沿ってガスが流れるため町は停車禁止の看板を出して注意を呼び掛けている。
半径500mほどの楕円形エリアの立ち入り規制は続く。専門部会では今後の課題として火山ガスの影響に合わせた新しい警戒区域なども挙げているが「ここまで下がれば大丈夫」といった基準も検討が始まったばかり。噴気の長期的な観測データも乏しいため、県や町ではしばらくの間観測を続け、二酸化硫黄と硫化水素以外の大気中ガスについても調べる方針。県大気水質課は「まだ濃度は高いが、ある程度に下がれば立ち入り規制などを見直せるのでは」と話していた。
「火口も観光資源に」
2001年に大涌谷で火山活動が活発化した際は170日程度で噴気が収まったが、今回は依然として落ち着かず、仮に収まっても周期的に再発する可能性もある。温泉地学研究所の萬年一剛氏は24日の講演で「当面は難しい。今までの観光スタイルを見直し、新しい火口をどう生かすか考える時期だ」と語った。
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