交通弱者向け、秋の実証実験目指す
湯河原の公共交通会議で、不便地域の高齢者などを念頭に置いた、事前予約型の乗合交通(デマンド型)の案が浮上している。
12月20日の会議で、事業案のひとつとして出されたもの。今後は意見交換などを経て、秋からの実証実験を目指す。事業案には既存の町コミュニティバスの見直しや高齢者・障がい者が乗降しやすいバス・タクシー車両の導入なども盛り込んだ。
湯河原町には民間のバス路線やコミバスが走っているが、路線網から離れて住宅が点在する地域もある。町民からのヒアリングでは、高齢化にともなう免許返納の増や、路線バスの乗り継ぎの多さ、将来への不安があぶり出された。
デマンド型はセダンやワゴン車両を使い、交通不便地と市街地それぞれに乗降ポイントを複数設け、双方を往来する仕組み。通常のタクシーのように電話の呼び出しに応えて迎えに来るのではなく、定刻に合わせて利用者側が乗りたい旨を電話予約する。事前に利用者登録が必要で、ニーズがない時は運休できる。バスよりも細い路地を網羅できるメリットもあり新公共交通案として選ばれた。
県西で中井町や秦野市などに導入例がある。一方で、デマンドタクシー「にのタク」を導入していた二宮町は乗合があまり進まず個人利用が目立ち、「予約が面倒」といった声もあって4年ほどで休止となった。
実証実験の対象エリアは、鍛冶屋・オレンジライン周辺・福浦・温泉場の4地区で、それ以外も検討の範疇にある。平日に定時で湯河原駅周辺など市街地を結び、料金は1回400円、2名以上の乗合で300円に割り引く。
今回の会議では対象エリアを選んだ根拠などを問う声が上がった。また公費を使った事業に対する疑問の声もあり、不便地での暮らしについて「自己責任」という言葉も出た。
町は今月下旬に町民との意見交換会を開く予定。
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