箱根・湯河原・真鶴版 掲載号:2018年5月11日号
  • LINE
  • はてぶ

5月12日の真鶴豊漁豊作祭で舞う「焼亡の舞保存会」会長を務める 鈴木 公子さん 湯河原町鍛冶屋在住 71歳

男も女も関係ない

 ○…源頼朝を助けた郷土の武将・土肥実平が舞った「焼亡の舞」。これを再現して伝える保存会で40年以上活動してきた。扇の所作の一つひとつに意味があり、担当する琵琶や謡の間違いは許されない。武者行列などの本番では役柄に意識を集中する。緊張の中で仲間と息が合った時の達成感はたまらない。

 ○…湯河原の大工の家に生まれ育つ。小さい頃から描く事が好きで、道端で拾った日本画集を描き写すうちに「将来は画家」と夢がふくらんだ。ちょうど新幹線の建設工事の最中で、現場で図面のトレースを手伝って小遣いを稼いだ。城内高校の定時制を卒業後、画家への道は親の反対をうけ断念。その後「手に職を」とペンキ職人の道に飛び込んだ。「女は私一人だったけど入ってみれば男も女も関係ない。仕事をとるために営業にも回った」と懐かしむ。

 ○…保存会に入ったのは塗装会社の社長に琵琶を習ったのがきっかけ。「舞の弾き語り役に向いている」と会に誘われた。「お調子ものだから。観客が大勢いると元気が出るんです」。それからもう40年以上。長く続ける秘訣なのか、自宅では一切稽古をしない主義。なぜならペットのオウムが練習を真似し始めるから。普段はこの鳥と19歳の愛犬を連れて畑に通っている。「命を終えるまでいい種を沢山まけたら」と今の境地を語った。

 ○…45歳のある日、左手に力が入らなくなり、脳梗塞が判明。当時は家計のため、落ち込んでいる暇はなかった。リハビリ代わりに小田原の飲食店で働いて体を動かした。ペンキ職人はもう無理だが、焼亡の舞だけはあきらめなかった。約800年前に平家に敗けながらも、再起を果たした頼朝。頼朝を支えた実平の思いが鎧を着るたびに身に伝わってくる。

箱根・湯河原・真鶴版の人物風土記最新6件

刀称(とね) 由美子さん

真鶴遠藤貝類博物館サポーターズの代表を務める

刀称(とね) 由美子さん

11月16日号

南谷 桂子さん

フランスの農事功労章を授与された

南谷 桂子さん

11月2日号

小笠原 修さん

世界マスターズ陸上競技選手権に出た

小笠原 修さん

10月19日号

川瀨 伸二さん

小田原警察署長に就任した

川瀨 伸二さん

10月5日号

溝口 和美さん

11月に年に一度の「華道展」…湯河原町華道協会の会長を務める

溝口 和美さん

9月21日号

山田 将志さん

真鶴豊漁豊作祭・盆踊りの「宿浜ストリートライブ」で歌っていた絵描き

山田 将志さん

8月24日号

箱根・湯河原・真鶴版の関連リンク

あっとほーむデスク

箱根・湯河原・真鶴版のあっとほーむデスク一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2018年11月16日号

お問い合わせ

外部リンク