関東ブロック商工会女性部の主張大会に出場した 青木 里美さん 湯河原町在住 34歳
心をつかむ 目配りの人
○…各地の商工分野の若手が集う「主張大会」の関東大会。湯河原からの出場は実に13年ぶりの快挙だ。集まった千人以上の聴衆を前に、手話で「お・も・て・な・し」のテーマを示し、広い会場に目を配りながら熱弁した。結果は1都10県の代表のうち3位。県代表に決まった時から「出るからには優勝」と心に決め、運転中や入浴中も声を出してきた。練習するうちに掴んだコツもある。声の抑揚や微妙な間、そしてユーモア。「色々な方が聞き役になって助言してくれた」と繰り返す。
○…実家は温泉場に向かう道沿いの小さな精肉店で、5年前に誘われて商工会女性部に入部。最年少メンバーとして活動に参加し始め、身をもって「おもてなし」を知った。今回スピーチで紹介した駅ホームの座布団設置もそのひとつ。寒風が吹きつける季節に定期的な取替えや洗濯に通う。持ち去られた事も。決して楽ではないが、先輩に付いていくうちに部内の妹的な存在になった。「里ちゃん、食べないと痩せちゃうよ」と美味しいものを手渡される。現在は青年部も掛け持ちし、ハロウィン行事にも関わっている。昨年は魔女の格好で参加したところ、会場の子どもが泣き出した。
○…小さい頃から両親を手伝い、大学卒業後に本格的に働き始めた。職場の大先輩は祖父の正一さん。90歳を超えて厨房に立ち、コロッケ1個に愛を込める職人だった。よく肉の切り方で怒られたが、今も引退した祖父を訪ねては仕事話で盛り上がる。一日中接客のため、朝は40分かけて入念にメイク。その素顔は地元を愛する一人の湯河原っ娘だ。店には観光客も訪れ、旅館向けの弁当配達も受ける。その注文数で観光業の繁忙の波を感じとる。馴染みのお客さんなのか、取材中もバスや車に手を振っていた。
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