箱根の観光行事の数々を盛り上げる箱根ソーラン座が、12日にレイクアリーナでレッスン大会を開いた。練習の成果を関係者に披露し、安藤前座長への思いを胸に天を仰いだ。
ソーラン座はこれまでメンバーが町内の幼保・幼児学園に通って踊りを教えてきた。しかし長年座長を務めた安藤貴代子さん(77)が今年2月22日に急逝。その日も練習で汗を流し、帰宅後の事だった。ソーラン座の発足は14年前。日本舞踊や演劇の経験のあった安藤さんが仲間と踊りで町を活性化させようと思いついたのがきっかけだった。箱根町は各地域が山々で分散しているが、共通の踊りがあればまとまれる。踊り始めた頃は「これが芸能なのか」という声も浴びたが、それをバネに「50年続けよう、その頃には伝統芸能になっている」と目標を立てた。それからは寄木の鳴子を手に地域の祭りに精力的に出演。レパートリーは20曲を超え、地域の垣根を越えてソーラン座の名前がしみ込んだ。火山活動で全山が苦しんだ3年前の夏は「元気な舞で箱根から不安を取り除くのが使命」と各地の祭りを行脚した。
後継も育っている。安藤さんが教え続けた仙石原幼児学園では、園児が好きなときにCDをかけて踊るようになり、地域の納涼大会でも欠かせない演目に。また4〜12歳の子どもたち約20人が「ジュニア」として座に加わっており、彼ら若手の強化が当面の目標だ。2年後を視野に東京五輪音頭の練習も始めている。石井寿美子新座長は「安藤座長はお空で見てくれているはず。高い志は私たちにしみ込んでいる」と語った。
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