大阪で発生した地震による塀の倒壊をうけ、下郡3町でも公共施設などの調査が行われた。湯河原町では80ヵ所を調査、直角に支える補強壁(控え壁)や基礎が法令に合わない6ヵ所を洗い出した。
「法令不適合」とされた中で最も規模の大きいものは、湯河原小学校の南側の隣地との境にある高さ3・6m、長さ36mの塀。塀に沿って鉄フェンスが建っているものの、児童が近づかないようコーンで囲われた。9月末までに撤去する予定で、代わりにフェンスを建てる。吉浜小学校で不適合と判定されたのは、東の通学路に面した25mの壁。その表面には昭和50年に卒業制作のモザイク画が広がり、地域にとっては馴染みの光景となっている。作品だけを外す事は技術的に難しく、児童の安全を最優先に検討した結果、やむなく取り壊す方向となった。作品に携わった当時の卒業生は現在50歳代。学校関係者は「当時の卒業生の声も聞きたい。なんらかの形で思い出を受け継げたら」と語っていた。
町立図書館では北側隣地との境の塀が不適合となった。補強壁の位置が法令に合わなかったため、新たに施工する。このほか、みやのうえ保育園の東の塀と、町道吉浜192号線にある塀(下長窪)も不適合と分かった。
地域のブロック塀町内会で確認も
真鶴町ではまなづる小学校の南側の塀について調査を進めており「安全が確認できるまで」紐で区切っている。箱根町では湯本小学校の塀で不適合があったが、児童が入れない場所にあり、夏休みに撤去される見込み。箱根中学校にも補強が必要な塀が見つかり、今年度中に施工する。
各市町で学校ブロック塀の調査や工事が先行する一方、通学路や住宅街に古い塀が多いという指摘もある。ただ公共施設に比べて民家には働きかけにくいのが実情だ。
熱海市では今月12日、各町内会長向けにブロック塀点検の依頼文を発信。「点検と改善」の冊子を用意し、自分たちで項目別にチェックできるようにしている。
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