秦野市西大竹の東町と開戸町で、今年も小正月の恒例行事「石売り」が行われた。これは地域に古くから伝わる行事で、小学校高学年の男子が町内の家々をまわり、石を売って歩くもの。毎年1月15日頃に行われている。
開戸町の子どもたち14人は、1月11日の午後2時に嶽神社に集合。町内の家にリヤカーを借りて、道祖神のところにある石9つを積んでから町内の家をまわった。リヤカーを引いて訪問した家で「石を売りにきました」と声をかける。
買うとご利益があるといわれている石の値段は子どもたちが決め、石の大きさによって異なる。訪問先の家で、買ってもらったり断わられたりしながら町内を巡る。訪問先の人が、リヤカーから形のよい石を選ぶ姿も見られた。リヤカーの石がなくなった時点で終わりだという。
また訪問した家で、同時に正月のお飾りの回収も行う。リヤカーに載せて道祖神のところへ集め、どんど焼きに備える。
子どもたちをまとめるのは、大将と呼ばれる役割。売上げを参加した子どもたちに分配するのも大将の仕事だ。今年の大将は、6年生の中から相談し合って決められた、志村隼也君(南が丘小6年)。「大変だけど楽しい」と行事について話していた。
小正月の行事として、この石売りとお飾り集めのほかに、道祖神のところへの屋台の組み立て、お札売りとおでん売りなどが行われている。売った石はどんど焼きの後日に各家をまわって回収し、道祖神のところへ戻すのだという。
行事は地域の子どもたちが、保護者のサポートのもとで前年の様子やノートの記録などを頼りに執り行っている。東町と開戸町でもやや異なっており、行われる年によっても少しずつ変化しているという。
この行事がいつ頃から行われていたかは不明。秦野市生涯学習課では、「神奈川県のみならず全国的にも類例が少ない行事」としている。
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