秦野版 掲載号:2011年3月12日号
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4月3日(日)に市文化会館で発表会を行う「秀駒会」の師範 犬山 公子(まさこ)さん 堀川在住 73歳

日本人の血が騒ぐ

 ○…三味線藤本流の師範。「藤本秀哥奈」の名で講師を務める「秀駒会」は、4月3日(日)に市文化会館で初めて発表会を開催する。三味線では8人の弟子とともに演奏をするほか、民謡にも3人の弟子が出演。「この日のために皆で練習してきた。三味線や民謡に親しんでもらいたいので気軽に聞きに来て」と呼びかける。

 ○…9歳まで満州で過ごした。一時は中国人の家庭に里子として出されたものの、なつかなかったため家に返された。「あのまま中国の家庭で育ったら、全く違った人生になっていた」と人生の転機を振り返る。終戦後、母親や兄弟とともに船で1週間かけて日本へ。「満州では死を身近に感じた。船内でも栄養失調などで多くの人が亡くなった」と過酷な体験を思い返す。

 ○…帰国後、小学生の時に近所の講師から誘われ日本舞踊と三味線を始めた。舞踊は22歳で師範になり、横浜で講師を務めた。40年ほど前に夫の仕事で秦野市に転居してから現在の流派の三味線藤本流に入門。42歳の時に弟子を取り始めた。「三味線や舞踊は日本が誇る伝統芸能。演奏していると日本人の血が騒ぐ」と魅力を話す。現在は約20人の弟子に指導するほか、20年ほど前から介護老人福祉施設の「菖蒲荘」や老人クラブでボランティアとして定期的に三味線の講座を開く。「生きがいとして楽しみにしている人が待っている。こっちも励みになる」と笑う。

 ○…時間があれば、見聞を広めるため様々な海外の地へ行きたいと話す。「特に、生まれ故郷の中国・大連には一度帰ってみたい」と願う。アメリカで仕事をする息子を訪ねた際には、三味線を持参して外国人の前で曲を披露。大喝采を受け、「日本人であることを再認識した。言葉が通じなくても、地球のどんな場所でも音楽と笑顔があれば気持ちは通じると感じた」と振り返る。今後については「誇りを持って、これからも日本の伝統芸能を広めていきたい」と胸を張った。
 

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