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秦野版 公開:2012年1月1日 エリアトップへ

新春市長インタビュー 市民力・地域力と職員力の襷(たすき)がけで キーワードは「絆」(きずな)と「轍」(わだち)

政治

公開:2012年1月1日

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インタビューに答える古谷義幸秦野市長
インタビューに答える古谷義幸秦野市長

 2012年の新春に当たり、本紙では古谷義幸市長にインタビューを行った。市長は昨年3月の東日本大震災を振り返り、人々の絆の大切さを強調。市内でも今なお続く被災地への善意やボランティアの広がりを「誇りに感じる」と述べた。その他、今年の施策や市政運営への意気込みなどを語った(聞き手は須藤一成・野口康英)。

 ――昨年を振り返っての感想を。

 「わが国にとって3月11日が大きな節目となりました。戦前戦後のように、東日本大震災の前と後で日本人の価値観が大きく変わったのではないかと思います。国難ともいえる状況下、痛みや苦しみを共有しようとする日本人の心の優しさを改めて感じました。誰もが『絆』や『つながり』を強く意識した1年であったとも思います」 

 ――『絆』という言葉が大きくクローズアップされました。

 「人と人とが協力しあい助け合う。その力強さや頼もしさ、温かさがどれほど社会の中で大切かを未曾有の危機によって我々は再認識することになったと思います。私は『絆』と同時に『轍』(わだち)という言葉も強く意識しました。本来『轍』という言葉は車輪の跡をいいますが、私はこれをもう少し広く捉えています。1人で歩き始めた小道に轍ができ3人、4人が通れるようになる。やがて車が通れるような広い道へとつながる。『絆』と『轍』という2つの言葉が、今とても大切だと思います。市民力、地域力、職員力が襷がけとなってまちづくりを進めていきたい、そんな思いを持っています」

 ――秦野からも多くの善意が被災地に届けられ、今も続いています。

 「義援金活動は今も続いています。お金だけではなく、ボランティアで被災地へ赴いた市民も多くいらっしゃいます。また、消防をはじめ市の職員の使命感を持った支援活動は、職員魂を感じ、大変頼もしく思いました。困っている人に進んで手助けをしたい、という市民の皆様の心がこのまちの財産であると思います。そんな市民の皆様に囲まれ仕事ができていることに誇りを感じます」

 ――震災という不幸な出来事の中にも市民力の高まりを感じた1年でした。

 「秦野は決して大きなまちではありません。しかし都心へのアクセスも良く、海も近い。緑と清々しい空気に囲まれ、皆さんが生き生きと生活をされている。そんな秦野の美しさが、市民力の高まりによって際立った年でもありました」

防災は「自助」と「共助」が大切

 ――震災を教訓に防災対策の見直しが迫られています。秦野市ではどのように取り組んでいますか。

 「地域防災計画や情報通信網、備蓄体制、土砂対策などの防災体制強化に取り組んでいきます。特に災害対策は日頃の市民一人ひとりの自助努力による備えがまず重要です。毎年の防災訓練は、私が就任以降『見せる訓練』から『市民が参加する訓練』に形を変えました。年々参加者が増えていることを心強く思います。ライフラインが停止した中で生き延びるための力を備えることや隣近所の安否確認、助け合いに手を差し伸べるなど、地域の防災力を高めていただくための対策も充実させたいと思います」

 ――公共施設の耐震化の状況はどうですか。

 「全ての小中学校で新年度中に耐震化工事が終了する予定です。その他の公共施設についても耐震化に向けた取組みを進めていきたいと考えています」

 ――公共施設の再配置計画が注目を集めています。理念をお聞かせください。

 「昨年3月に公共施設再配置計画を公表しました。公民館がなくなるのではなど、ご心配の声もありましたが、計画は闇雲に施設面積を削減する目的でなく、本当に必要性の高い公共施設サービスを様々な工夫を重ねながら次の世代に引き継いでいくためのものです」

――今年の計画は。

 「夏ごろにはシンボル事業として保健福祉センター内に郵便局を誘致し、住民票などの発行業務を取り扱えるよう、調整しています。また、西中学校の体育館と西公民館の複合化も、民間活力の導入の可能性について調査を進めたいと思います。再配置については市民サービスの質を低下させることなく、慌てずに市民の皆様の理解を得ながら進めていきたいと思っています」

子育て支援に力点

 ――その他今年はどんなテーマに取り組みますか。

 「少子化や子育て支援は社会全体で取り組まなければならない大きな課題と考えます。これを積極的に進めていきます。本市では、待機児童解消のための幼稚園と保育園とを一元化した「こども園」の整備など、子育て支援サービス充実を図ってきました。昨年度から他市では例の少ない事業として、いわゆる保育ママ(家庭保育福祉員)事業を実施し、現在2人の保育ママが保育所での保育を補完する立場で5人の児童を保育しています。また乳幼児家庭全戸訪問事業『こんにちは赤ちゃん事業』も生後4か月までの乳児を対象に実施しました。今後も、地域全体で子どもたちの成長を支え、安心して子どもを産み、喜びと責任を持って子育てができる環境づくりを目指し、様々な事業に取り組んでいきたいと思っています」

新東名を活性の契機に

 ――新東名の動きが本格化してきました。市内にインターチェンジやサービスエリアを設置する計画がありますが、観光や商工業、農業など、各分野に成長のチャンスが広がります。市長はどう捉えていますか。

 「インターチェンジやサービスエリアの設置は、新たなチャンスと捉えています。商工業にとっては物流等の移動時間短縮、利便性向上、企業立地再整備等の促進が期待され、観光分野では県立秦野戸川公園を始めとする観光資源への交流人口の増加が考えられます。秦野IC(仮称)や秦野SA (仮称)は、県西部の新たな広域交流拠点となり、地域の活性化に繋がりますので、特に秦野SAのスマートインターチェンジの実現に向けて、国に働きかけていきたいと思います」

市民と共につくる手軽な観光スポット


 ――『観光』が1つのキーワードになると思います。黒岩知事は横浜、鎌倉、箱根のほかにもう一カ所県内に観光拠点を作りたいとし、やる気のある自治体を支援したいとも語っていました。恵まれたインフラと豊かな自然は秦野の大きな売りです。観光デザインについて市長はどのようにお考えでしょうか。

 「新東名のインターチェンジやサービスエリアは県立秦野戸川公園のすぐそばにできます。水無川の護岸や丹沢の山々をうまく活用し、都会の人々にとってのオアシスになったら素晴らしいですね。決して鎌倉や箱根のようなスケールに及ばないかもしれませんが、手軽に子どもも高齢者も楽しく過ごしていただけるような観光スポットを増やしていきたい。その一つの例が、昨年誕生した「南はだの村七福神と鶴亀めぐり」です。駅をスタートし約10キロの道のりを花や自然を愛でながら巡り、再び秦野駅へ戻るというコースです。市民が主体となって生まれたこの新たな観光資源も、広めていきたいと思っています」

 緊張感を持って財政運営を

 ――景気低迷が続き、財政運営も一層の厳しさが予想されます。意気込みをお聞かせください。

 「現在次年度の予算編成を進めています。国の施策が不透明で交付金の決定等も先になりますが、税収も減る見通しで、より一層の厳しい財政運営となります。この5年間、職員の手当て削減や長期保有土地の有効利用、また水道料金見直しなど市民の皆様にもご協力をお願いし、プライマリーバランスの均衡に努めてきました。その結果、市債残高も確実に減少しています。今後も、事業の選択と集中を進めるとともに、行革には強い決意で臨み、常に緊張感を持って市政運営に取り組んでまいります」

 ――最後に市民にメッセージをお願いします。

 「市民の皆様には、本市の更なる発展のために、引き続きお力添えをくださいますようお願い申し上げます。また、冒頭申し上げましたように、『絆』と『轍』をキーワードに、皆が手を携えて明るく楽しく頑張っていきたいと思います。新しい年が市民の皆様にとって、健康で幸せな年になりますことを心から祈念申し上げます」

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