戸川原の双体道祖神(戸川701番地)が1月20日、秦野市教育委員会によって秦野市指定重要文化財に指定された。所有する戸川原自治会(前尾國彦会長・約660世帯)が、「貴重な民俗資料として地域で護り続けたい」として昨年11月28日に申請していたもの。
道祖神は、高さ49・5cm×幅31cm×奥行き18cm。舟をかたどった石に僧形の双体像が浮き彫りにされ、正面に「寛文九年□八月廿六日」の銘が刻まれている。僧形の様式は寛文期の道祖神の典型を示すもので、銘の年は信頼できるという。この寛文九年(1669年・江戸時代)は市内ではもちろん、県内でも銘が判読できるものとしては最も古い。全国的にも数少ない「初期道祖神石塔」と認めることができる貴重な資料であるとされる。
この道祖神は戸川の地縁組織である原地区で祀っているもので、五輪塔の破片や石臼なども納められている。市内の他の道祖神と同じく「セエノカミ(サエノカミ)」と呼ばれており、これは『和名類聚鈔』などの平安時代の文献にも記されている古い呼び方。毎年小正月には、正月のお飾りを燃やして団子を焼いて食べる「セエトバライ」が行われる。
市生涯学習課では「わが国の民俗信仰史を明らかにする上でも資料的な価値が高い」とし、前尾会長は「道祖神は昔からこの地域で親しまれ、疫病などから地域をまもる守り神とされてきた」と話した。
道祖神は現在、昨年近隣の住民が建てた鍵付きの祠の中に祀られている。
神奈川県下では大磯丘陵周辺地域に多くの道祖神が建立され、中でも秦野市が324基(2008年度調査)と最も多い。次いで多いのが小田原市302基、平塚市273基。うち県内には寛文期の道祖神が7体確認されている。
市指定重要文化財は、この道祖神で50番目。2010年の菅原神社「絵画束帯天神像掛幅」以来の指定となった。
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