いつか自分で作った飛行機で大空を飛びたい――
「夢が実現しそう」と笑いながら話すのは山田信弘さん(61・堀山下在住)。ラジコン好きが高じて、ついにB&F社(ドイツ)の2人乗り飛行機「FK―12コメット」のキットを輸入、完成させた。来たる初飛行に向けて毎週末、富士川滑空場(静岡県)で調整や操縦訓練を行っている。
夢への一歩として山田さんが自家用飛行機の操縦免許を取得したのは20代のころ。40代でアクロバット飛行をしていた時期も数年あったが、それ以外は経済的にも時間的にも余裕がなく、操縦桿を握ることはほとんど無かった。
飛行機づくりへの情熱が再加熱したのは55歳。当時愛読していた雑誌に掲載されていた「FK―12コメット」の写真を見た時だった。「ひとめぼれ」だった。
飛行機のキットが届いたのは2009年5月。世界では60機ほど存在するが、海を渡って日本にきたのは初めてのことだそうだ。松田町寄にある仕事場を飛行機専用の作業場に改装し、専門家でも難しいといわれる「キャンディーレッド」のボディ塗装や配線など全て自ら行った。ドイツ語の説明書が理解できず苦労したこともあったというが、「飛行機好きの仲間たちが助けてくれた。本当に感謝」と山田さん。少しずつ少しずつ作業を進め、約3年の歳月をかけて完成させた。
「立ち止まりながらもようやく最終点検までこぎつけた。好きなことをやらせてくれた妻にも感謝です。大空へ羽ばたける日が待ち遠しい」と満面の笑みを見せた。
現在、飛行機は自宅の庭で保管されている。航空局からの飛行許可が間に合えば、9月に福井県で開催予定の「スカイフェス」で初フライトとなる。
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